さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

242 真のファンなのです!

 みなさん、こんにちは。

 

 ピキャーーーッ!私が応援してる髙梨選手を、よくもーーー!!

 あ、失礼しました。いや、ライブドアニュースを見ていたら、2017年に愛車のベンツと共に雑誌に載った彼女に向かって分不相応だ!なんて言う声が上がっていたそうで、SNSでは炎上していたそうです。私は全く知りませんでした。

 あのう、何がいけないんでしょうか?2017年と言えば、それまで無敵状態だった彼女がなかなか勝てなくなった年ですが、それまでの実績を考えたら、ベンツの方が分不相応ですよ!

 考えてみてください。スキージャンプ競技っていうのは、基本的にヨーロッパ勢の、それも北欧やアルプス付近の国の独壇場でしたからね。その世界で、ワールドカップ男女を通じて最多の60勝という偉業を成し遂げたんですよ(2020-2021シーズン)。

 あの低い姿勢から飛び出し、信じられない推進力でグイグイ進み、なぜかかたくぎこちないテレマーク姿勢…。実に素晴らしい!

 十代半ばから活躍していた髙梨さんが二十歳を過ぎたあたりでお化粧するようになったことでもバッシングを受けたとか。頭おかしいんじゃないですか?

 私も彼女の活躍を、何と言いますか親が子の成長を見守るような気持ちで見ていましたから、当然そうした変化にも気が付きましたが、あ~もうそんなお年頃なんだなぁ、と感慨深くほんわかした気分になったものです。

 まぁ、これって昔あったことについて今怒ってるという変な話なんですが、他にもフィギュアスケート浅田真央さんもいろいろ言われていたようですね。お姉さんと一緒にファッション誌に載った時着ていたドレス姿などが、それまでのイメージと違うことにクレームをつけられたようです。

 いつまでも自分のイメージ通りの姿でいなさいって、なんか勘違いしてますね。

 アスリートであれタレントであれ、プライベートはあるわけですし、なにより彼ら(彼女ら)の本業での活躍こそ注目し評価するべきであって、それ以外のところで、イメージと違う別人のような姿を見たとしても、それはそれ、これはこれ、とケジメをつけなければなりません。アスリートも芸能人も個人の所有物ではないんですから。

 だいたい、スキージャンプ競技の第一人者なんだから、ベンツに乗ったっていいじゃないですか!女の子なんだからお化粧したっていいじゃないですか!そうした変化や、彼女たちの嗜好をも良いものとして受け入れる度量こそ、真のファンなのです!

 昔はこうした心構えができていない中途半端なファンが暴走しても、アスリートなどに直接声が届くことなんてなかったと思いますが、今はSNSがありますからね。匿名をいいことに、相手の気持ちなど無視して好き勝手な暴言を浴びせる人がいますが、こういうのはファンの風上にもおけない輩です。

 本当に嘆かわしいことですね。よりによって沙羅ちゃんのことを・・・。(あ、気持ち悪いですか?すみませんでした…)

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 そういう意味からすると、プロレスファンっていうのはファンの中のファン!キング・オブ・ファン!と言っても良いでしょう。

 そう、まさにファンの鑑なのです!

 プロレスは力道山(知らないけど)から始まって、ジャイアント馬場さんやアントニオ猪木さんというスターが長年牽引してきました。戦後の復興期と同時に隆盛し、一時期低迷しましたが、またまた勢いを取り戻しつつあります。

 昔のプロレスは先ほどのスター選手などの活躍がメインで、観客やTVの前の視聴者は見てるだけって感じでしたが、このところの盛り上がりは、むしろファンが後押しをしている、というかファンも一緒に作っている感でいっぱいですね。

 プロレスは言うまでもなく、ショー的要素の強いものなので、対戦相手を壊したり傷つけることは少なく、馴れ合いだとか八百長だとか言われます。しかし、実際は相手の技を正面から受けて耐える。そして自分の技を繰り出して相手に受けさせ、相手もまた耐える。それで、もうダメだ!となった時点でフォールされたりギブアップしたりするんだと思っています。つまり、我慢比べの要素が強く、あの体はそれに耐えられるように鍛え上げている者と推察しています。

 ただ、ショーでもある以上、お約束的要素もふんだんに盛り込まれており、これをやったら、こういう反撃にあうっていう流れは、予めファンの知るところでもあります。それもまた楽しいところで、選手はファンの期待にきちんと応える律義さも兼ね備えているのです。

 まぁ、プロレスっていうのは、ボクシングや総合格闘技などと比べたら、一撃必殺みたいなところが少ないですから、そういう本気でやってくれないと見ていてつまらない!っていう方には向いていないのかもしれませんね。

 プロレスの観戦とは、ある程度の寛容さを持って臨むべきものであり、子供たちは派手な技の応酬に魅了され、大人たちはそこで繰り広げられるストーリーがより劇的に光り輝くよう熱い視線を注ぎます。う~ん、大人から子供まで楽しめる・・・ガンダムに近いかも!…ま、まぁ、ガンダムが出てくると話がややこしくなりますので置きますが、リングと観客席の一体感は音楽のライブと似た感覚なのかもしれません。

 いや、選手がファンを煽り、ファンが選手を煽る、この応酬はライブ以上の高揚感をもたらしてくれるはずです。別にマイクパフォーマンスが下手でも、ファンへのアピールがなってなくても、リングで必死に戦う選手に対してファンは決しておざなりにはしません。そう、ファンの求めるものは選手の敢闘する姿に他ならないのです!

 こういうファンの中のファンたちは選手がどんな車に乗っていようが、女子プロレスの選手がどんな化粧をしようが、どんな服を着ていようが、全く意に介しません。

 あるのはリングでの輝きと高揚感であり、些末なことなど介在する余地はないのです。そして、彼らにしてみれば、自分のイメージに固執して、本来応援していた選手に罵詈雑言を浴びせかける不届き者など、住む世界の違う異星人のようなものだと言っても過言ではないでしょう。

 ファンにはファンの矜持があるべきであり、それはただ見守っているだけであっても、選手の成長を促すことにつながっているという確信に基づくものでなければならないのです。選手の足を引っ張ることなど、そもそもファンのすることではありません。

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 プロレスにはもうひとつ面白いところがあって、選手生命が異常に長いことですね。

 世界の正平ちゃんことジャイアント馬場さんは61歳でなくなっちゃいましたが、亡くなる直前までリングに上がり続けていました。本当に惜しい方でした。

 燃える闘魂アントニオ猪木さんは引退されましたがまだまだお元気で、たまにイベントに参加されます。長州力さんや藤波辰爾さん天龍源一郎さんもお元気ですね。

 で、それだけなら野球だって他のスポーツだってよくある話ですが、長州力さんは先日引退したばかりですし、藤波さんってまだ現役じゃなかったかな?60歳を超えてもパンツとリングシューズのみで戦うスポーツはなかなかありませんよ。

 それもこれも、高齢レスラー(失礼?)に対して、ファンが激しくリスペクトしているからこそなせる業なのです。馬場さんがリングに上がっただけで異常な盛り上がりとなり、チョップやキックが決まり、相手がのたうち回って痛がる姿にファンの歓喜は最高潮を迎えます。本当に痛いのか痛くないのかなんて関係ありません。今、そこに馬場さんがいることで100%満足しちゃうんだから、チョップやキックは平常心を失ってしまうほどの追加の快楽を与えてくれるのです。すごいでしょ。

 もう、こうなったら、「日本中がプロレスファンになってくれたらいいのにっ!」って思っちゃいますよ。

 まぁ、それはそれで、騒々しいったらありゃしませんが…。