さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

141 ラン&ガンスタイルは伊達ではありません。

 みなさん、こんにちは。

 

 空の高いあたりに薄い雲がかかり、その下にサツマイモみたいな形の雲が低く浮かんでいるような天気です。風はそれほど強くありません。薄い雲のせいで日差しもまぶしくないこんな日は、釣りをしたくなります。

 と言うわけで、近くの防波堤にやってきました。

 昨日までは西風が強く、釣りなんて考えもしませんでしたが、今日くらいなら、風裏(山などで直接風が当たらないところ)に行くことで風を気にしなくて済みそうです。

 突発的に釣りをしようと思い立ちましたから、撒き餌の支度などできません。こういう時はルアー竿を使ってラン&ガンスタイルの釣りをします。使う竿はアジング(アジ釣り)用の細竿で10gくらいのルアーまで投げられます。ラインはPEの1号くらいで、リーダー(?)はフロロカーボンの1号ですね。ルアー用の表示は未だによくわかりません。一応小型のジグやワームも用意してきましたが、私はルアーがあまり好きではないので、オキアミをジグヘッドにつけてやってみます。なんとなく餌のほうが魚に対して誠実なような気がするんです。意味がわかりませんよね。実は私もなんです。

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 まぁ、餌のほうが魚の食いつきもいいので、…これでいいのです。

 手が少し臭くなるのが玉に瑕なんですけど、それ以外は良いことが多いんですよ。

 まず、荷物が少ないこと。タモも持ち歩きません。そもそも、今回の華奢な道具でタモですくうほどの獲物は想定していません。狙いはあくまでアジなのです。ですから、リールを付けた竿1本と、小型のクーラーを手に持ち、釣り用のベスト(ライフジャケット)を着て完了です。道具のほとんどはベストに入れておき、クーラーは保冷剤と餌と飲み物等です。荷物が少ない釣りはほんと楽なんですよね。普段は大型のクーラーとバッカン(撒き餌入れ)とロッドケースとタモを両手両肩を使って運びますからね。

 さらに準備がすぐにできちゃうこともいいですね。

 車からおりて、竿を取り出したときに糸を通してジグヘッドまで付けちゃいますから、ポイントについたら餌を付けて投げるだけです。いつもハァハァ言いながらポイントにたどり着き、撒き餌を混ぜて竿を伸ばし、仕掛けを作って…とやっているのと全然違います。もっとも、ふかせ釣りをやる気満々でいるときは、それが当たり前のような気分なので、苦痛でも何でもありませんが、急に思い立って釣りをする時はやっぱり楽な方がいいです。…はい、本来怠け者ですから。

 準備がすぐにできるということは片付けもすぐにできるということですよね。

 撒き餌をしないから釣り場も汚れませんし、車に戻って道具を載せたらお終いです。あ、手の匂いはそれ用のウェットティッシュを使って入念に落とします。これに一番時間がかかるのかもしれません。いやぁ、本当に楽チンです。

 で、その釣りなんですが(どうも前置きが長くていけません)、先ほどから申し上げているジグヘッド(根元におもりが付いた釣針)を使うんですが、普段2gのものを使います。なんかこれが私の技量には丁度良さそうです。本当は3~4gの重いものを使ったほうが良く飛ぶのでいいんですけど、アジの食いが悪くなります。軽くすれば食いはいいけど飛びません。今の私の腕では2g!なのです。

 その2gにオキアミを付けて投げます。沈めます。底に着いたかなと思ったらチョイチョイっと竿をあおって余分な糸を巻き、また沈めます。この繰り返しです。たぶんチョイチョイってところで魚が「なんだアレ?」と気づき、フラフラ沈んでいくときに「食べちゃえ!」と食いつくんだろうと思います。こうした想像をするのが大切ですし、楽しいんですね。立っている場所から、放射線状に投げて魚がいないがさぐっていると、コツンコツンと竿先に魚からのコンタクトを感じるようになります。「来やがったな」と騒めく心を抑えながら、次のコンタクトを待っているとカプーッと食いついてきます。竿が細く柔らかいので、いったいどんな大物が引っ張っているんだ!と思っちゃいますが、あげみると10㎝くらいのアジだったりします。この時もそうでした。

 たっ楽しい!

 まぁ、釣れたアジは小さいし血も出ていないので逃がしました。

 餌を使ういいところは、そこに魚がいる場合食いつく確率がとても高いところです。

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 ルアーの場合、そこに魚がいても、腹ペコでなければ、あるいは妙に好戦的になっていなければなかなか食ってくれません。ここで腕や使うルアーの性能が影響してきます。そのどちらもない私の場合は、潔く餌を使うのです。それにいつの間にか餌をかじられていたり、取られていたりしたら、どんな魚がいるのか見当がつきます。ここには大きいの(10㎝でも結構大きいととらえています)がいないなぁ、となったら違う場所に移動します。

 この軽快な釣りの最大の長所がこの機動性ですね。なにしろ荷物が少ないし、釣り場を汚していないので、さっさと移動できます。ラン&ガンスタイルは伊達ではありません。ルアー釣りをする方はクーラーすら持たずにスタコラと移動を繰り返し、魚を追いかけています。実にアグレッシブな釣りです。撒き餌を撒いて魚を寄せるふかせ釣りの対極に位置するような釣り方です。うむうむ、私もなかなかいいことを言います。

 で、この時も移動を数回繰り返して、アジだけでなくフグ、ベラ、カサゴなど釣れました。釣れましたが、いずれも小さかったのでリリースしました。でも20匹くらい釣れましたよ。3時間くらいでこれなら十分楽しめました。

 これはどんな釣りでもそうなんですが、釣りをしていると今使っている仕掛けにあれこれと工夫したくなってきます。シンプルな釣りをしている時は猶更その傾向は強くなります。今日の仕掛けは糸の先におもりが付いた針だけっていうシンプルさなので、あれこれと釣りながら一生懸命考えました。問題点としてはやはり飛距離と重さの関係です。軽くすれば水中でフラフラしながら沈む速度がゆっくりになりますので、魚を誘う力が増していきます。遠くに飛ばすことができればより広い範囲の魚を狙うことができます。この相反する要請をどうやって成立させるのかを、せわしなく投げては巻くを繰り返しながら考えます。

 これも楽しい!

 ジグヘッドの重さを0.5gにして、代わりに遠投用のウキを付ければいいんだろう、と簡単に答えは出ますが、そういった道具はすでに商品化されていて面白くありません。あ~でもない、こ~でもないと考えているうちに魚がかかり、オッオオッと喜んで釣り上げ、なんか小っちゃいなぁと少しがっかりしてリリースし、また餌を付けて投げてから、何か良い方法はないものか?と考えます。

 まさに至福の一時なのです!

 こういうどうでもいいことを考えている時って、脳の中になんかいいものが出ているような気がします。ウキを見ながらボーっとするのもいいですが、たまには頭を使わないといけませんからね。

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 帰りの車のなかでも引き続きあーだこーだと考えました。その時ふとあることに気が付きました。「今日の釣りって、1,000円くらいのファミリー釣りセット(竿とリールのセット)でもできたんじゃないの?」…。

 う~ん、余計なことを考えたせいで、気分が台無しです。

 その後は、努めて違うことを考えるようにしました。

 冬になり天候が不安定になると、なかなか自分の都合と会わないことが多くなり、しっかりと準備をして臨むふかせ釣りはやりにくくなります。そんな時には今日のようなお手軽ちゃんな釣りがストレス発散にもなりますし、もってこいですね。

 今日は結構満点に近い釣りでしたよ。釣れた魚が大きかったり、余計なことを考えなければ…。

 満点はなかなか難しいかもしれませんね。