さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

105 今日は座椅子のお話です。

 みなさん、こんにちは。

 

 アメリカの大統領選について、米軍がドイツにある集計ソフト「ドミニオン」のサーバーを押収したとのこと。その中に改竄前の投票数のデータがあり、それによるとトランプさんの圧勝とのこと。本当かどうかわかりませんし、本当だったとしても、結果が覆るのかもわかりません。

 さて、またアメリカの大統領選の話かよ!って思われたそこのあなた、違いますよ。

 今日は座椅子のお話です。

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 床に座る風習のある我々日本人にとって、座椅子はとっても重宝します。

 私はいまでこそ椅子に座って仕事をし、帰ってからも椅子に座ってこのブログを書いていますが、リビングにはテーブル(洋風のちゃぶ台)があり、木製の座椅子がぽつねんと置かれています。この木製座椅子は角度の調整などできませんし、座布団を敷かないとお尻が痛くて座れたものではありません。しかし、背もたれの角度や微妙なしなりがなんとも心地よく、まったりしたい時などは他に何もせずにひたすらウニウニと背もたれ感を満喫しています。引っ越しの際、捨てようかと悩んだんですが、捨てなくて良かったと思っています。まぁ、断捨離できないわけです。

 この木製座椅子は見た目の割に4,000円くらいしましたが、もっと安いものでリクライニング調整付きのものがたくさん売られています。鉄製のフレームに布製のクッションが付いたシンプルなものです。昔はこれをよく使っていました。ただ、フレームが弱いのか、すぐに変形してしまいます。…デブダッタカラ?

 ですから、新しいものに変えようと思った時に、思いのほか捨てにくいのでかなり戸惑いました。燃えるゴミで出せませんから。

結局、それなら次のゴミの日まで使っておこう、となりまして、ズルズルと変形した座椅子を使い続けるようになっちゃいます。まぁ、私は座椅子っていってもその程度のものしか使っていませんでしたが、学生の頃同じ寮の先輩で、すごい座椅子を使っている人がいました。

 当時の大学の寮は四畳半一間で風呂、トイレ、台所が共同でした。

部屋の鍵は内側からはドアノブの真ん中の丸い筒みたいなスイッチを押すタイプでした。パンチをしたら簡単に穴が開くようなスカスカのフラッシュドアでしたね。

 はっきり言ってプライバシーのプの字もないようなところで、夜、目を覚ますと、いつの間にか先輩方が私の部屋でマージャンをやっているなんてことは日常茶飯事でした。まぁ、部屋いる時は鍵をしなかったのですが、一応声をかけてみようかなと思い「あのう、何をされてるんですか?」とお聞きしたところ、「マージャンだけど…」って3人そろって答えてきます。「あっそうですか。…お疲れ様です」「おう、お疲れ」「あ、大変申し訳ございませんが、寝てもいいですか」「まぁ、今回だけな!」という会話をしておきながら、結局、理不尽にも起こされてマージャンに加えられたりします。先輩の言われることは絶対でしたから!はい。

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 まぁ、寮の中では理不尽な方々ですが、学校や町で後輩からSOSが入ると、手が空いている人は一斉に出動するような方々でもありましたので、なかなか文句は言えません。基本的に仲が良かったんですよ。

 そういう先輩方の中で異彩を放っていたのが、上川さん(仮)でした。

 上川さんは、今でいう引きこもり的な方で、圧倒的な読書量とゲーム量で他の追随を許さなかった人です。穏やかな性質で、私の部屋よりも上川さんの部屋の方が他の寮生の寄生先になっていたように思います。当然ですが、私も空き時間には上川さんの部屋に良く行きました。寮の向かいにある自動販売機で、自分と上川さんのコーヒーを買って「おつかれさまで~す」と言いながら入っていくと、上川さんは常にベッドで寝ているか、座椅子に座っているかのどちらかでした。

 で、この座椅子が凄かったのです。

 なんでも、前にいた先輩から貰ったものらしいのですが、車の運転席を外して座椅子にしたものでした。私が当時使っていたフニャフニャではなく、圧倒的な剛性がありました。座った時に体を軽く締め付けてくるようなホールド感は、おそらくスポーツカーのものと推測できました。そのなんとも言えない座り心地の良さ目当てに、ついつい上川さんをベッドに追いやろうとしたことは何度もありました。

 上川さんはそういう私の企みなどとうに看破していたので、私が声をかけるとすぐに座椅子を立ち、こたつに対して90度移動して座りなおします。その後ろにベッドがあるので、それを背もたれにしていました。穏やかな人柄でありながら、一を聞くと十のうんちくを返してくるような人でもあり、当時知りたがりの私にとって寺子屋の先生みたいな人でもありました。ちなみに私が卒業した後も大学に残っておられたようです。

 あの座椅子に座ってゲームをしながら上川さんのうんちくを聞くのは、今で言えば極めてコスパの高い過ごし方でした。何しろ缶コーヒー1本で2~3時間相手をしてくれましたから。そのうち、「喫茶上川」と命名したら、さすがに苦笑いしていましたが、どうやらまんざらでもないようで、「喫茶上川 ゲームのお品書き」なるものを万年炬燵のテーブルの上に見かけたことがありました。

 座椅子のいいところって、足が自由なことですよね。伸ばしてもいいし、膝を立ててもいいし、炬燵も使えるし。さらに、足の先が下がっていないので、うっ血しにくいのも良いところでしょう。逆に、立ち上がる時に足が弱っていたり、痛めていたりするとちょっと大変です。まぁ、なんでも一長一短ありますからね。

 ところが、そうした常識を打ち壊してしまう座椅子が存在します。

 その名も正座椅子。冠婚葬祭などで、どうしても正座しなければならない時に、足がしびれたりしないように座面が床から15~20㎝上にあり、その下に膝から下を滑り込ませる逸品です。体重は座椅子が引き受けてくれるので、膝から下はフリーな状態が維持されます。特に女性は足が痛くても胡坐をかくわけにはいきませんからね。そういう面でも実に配慮が行き届いたアイデア商品です。私も座ってみたかったのですが、人に見られるとケガでもしたのかと心配されそうなので、誰もいない時にコソコソっと座ってみました。…実に…いいっ!これなら1時間でも2時間でも平気です。私は正座をするとだいたい5分でカラータイマーが点滅しだし、10分以上経つともう私の足ではなくなってしまいます。さらに座っている時の姿勢が、背筋を伸ばした状態で保たれやすいのも良い点です。背もたれがないのは聊か残念ですが、ないおかげで普通に正座しているように見えるから良しとします。

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 座椅子のお話をしていたら、またまた座ってみたくなりましたので、件の木製座椅子に座ってみます。う~ん、この座椅子の背もたれが柔らかければ、体を前の方にスライドさせて、そのまま昼寝の体制に持っていけるのですが、それだけが残念ですね。