さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

93 セミナーに行ってきました。

 みなさん、こんにちは。

 

 セミナーに行ってきました。

 業者同士の集まりで、偉い先生がきてお話をされるものですが、私は基本的にそういうのに関心がなかったので、これまで遠慮していましたが、会社が行け!っていうので、しぶしぶのプンプンで行ってきました。

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 会場に入る前におでこに検温器をあてられた時、「あ、これTVでやってたやつだ!」とさっきまでイヤイヤしていたのが、180度変わって「ウキャッ」となっちゃいました。

 会場は思っていたより広かったんですが、2人用の長テーブルの片方に一人だけ座るように配置されていて、前後の席は斜めの配置になるようにしてありました。

 あ~コロナだね~。と思いましたが、基本的に人混みが嫌いなのでむしろ快適です。もちろんマスク着用、入退場の度に手を消毒、当たり前ですね。何ら苦になりません。これも、検温器効果と思われます。完全に浮かれモードになっていましたので、ひとしきりはしゃいでいたら、知り合いの業者さんが「なにバカ面晒してんの?」と無礼千万な声掛けをしてきました。この人は私より2~3歳くらい年上の造園屋さんで、いかにも現場の人らしく、歯に衣着せぬ物言いをします。こちらから仕事を出していることなど関係ありません。まぁ、私もそんなことは関係ないと思っているんですけどね。むしろこの人の表裏のない性格は好ましいとさえ思っています。ですから、この程度の言葉にいちいち目くじらを立てる私ではありません。ましてや、今、浮かれモードに入っています。「うん、さっき熱を測ってもらった」と私。「えっ、初めて?」「そう、初めて」「おいおい、コロナになってから店にも行ってないの?」「そういうことする店には行ってない」「どんだけ出不精やねん!」「誰がデブじゃ?」「…もうええわ、なんか浮かれてんのはその熱を測ってもらったのが嬉しかったの?」「うん、そう、なんかTVみたい」「自分、アホやろ。そんなに熱測ってもらうんが嬉しいんなら、店にも行けばええやん」「思いもかけずっていうのがいいの。待ち構えているところに行くのは面倒くさい」「…もうええわ。…うんうん、おねちゅ測ってもらって良かったでちゅね~」「むっ、失礼な!」「はいはい」いやぁ、なかなか失礼な人です。

 それでも私の浮かれモードはなんら萎むことはありませんでした。

 その人は私の斜め後ろに座って、スマホをピコピコやり始めたので、私は周りをきょろきょろ見回して、人間観察に勤しんでいました。

 セミナーといっても、改まった席ではありませんので、私はポロシャツに作業服の上着を羽織り、チノパンにアップシューズという服装でしたが、スウェットの上下できている人や、ここはお水のお店かと思ってしまうような格好でお見えの女性もいました。モチーフはバラでしょうか。さすがに主催は建材のメーカーなので、そこの男性はスーツにネクタイでしたが、女性は意外とラフな格好でシャツにジーパンっていう感じでした。まぁ、いいんですけど。

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 先ほどのスウェット上下で来ていた人は、始まる前からパン(あんパン)とコーヒーで小腹を満たしておいででしたが、この人のまわり半径1mくらいは、まるで別の生活軸で動いているようでした。その近くには現場から直接やってきた感満点の塗装屋さんが、いろんな色の付いた作業着で座っていましたが、私にはその人の方がスウェット野郎よりもはるかに清潔に見えたのが印象的でした。

 まぁ、いいんですけどね。面白いから。

 でも、別に汚れているわけでもないのに、この人なんとなく汚い感じがするんですよね。ちょっと太ってるし、寝ぐせついてるし。本当に開始前から異彩を放っていました。あ、もちろん悪い意味で。

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 鞄から新しいパン(クリームパンのようでした)を取り出したときに、さすがに主催者側の営業さんが何か言いに行ったんですが、なぜか逆に叱られているようで、しばらくしたら引っ込んじゃいました。まぁ、こういう人は何処にでもいますが、別に騒いでいるわけでもないし、臭いわけでもないので、私はなんとも思いませんでした。

 ただ、この人結構前の席に座っていたので、このまま食べ続けていたら、檀上で話す人にも丸見えです。セミナーが始まったらとりあえず片付けるんだろうと思っていたら、なんと偉い先生が登壇して話し始めてもお食事を続けていました。一体なん個食べれば気が済むんでしょう。話が始まって5分くらいしたあたりで、スウェット野郎はパンを食べ終わりました。先生は渋い顔をして話を続けていましたが、パンフレットに書いてある予定時間(30分の予定)より10分も早く終わっちゃいました。

 私としては、話に興味があったわけでもなかったので、むしろ早く終わったことが嬉しかったのと、偉い先生の渋い顔と黙々とパンを食べるスウェット野郎のコントラストが面白くって、普段とるはずのスリーピングタイムをうっかりとり忘れちゃいました。

その後、主催側の建材メーカーが自社製品の説明などをしていましたが、先ほどまでのスウェット野郎の傍若無人な振る舞いに、若い職人たちは緊張感が切れてしまったのか、いたるところでコソコソ話が始まり、ザワザワした状態で終始しました。きっと少々のことは咎められないと思ったんでしょうね。

 さて、このメーカーの話の時間は苦痛でしたが、ようやく終わりに近づいてきたあたりでスウェット野郎はあわただしく片付けを始め、「本日のセミナーは以上で終了いたします。みなさんお忘れ物…」のあたりでした、アナウンスが終わってもいないのに席を立ち、「早く行かないと~が売り切れちゃう」っていう顔をしながら遠くに視線を置いてスタスタ歩いて行きました。そのため、アナウンスが途切れてしまったようで、司会の方にはちょっとだけ同情しました。

 終わった後、件の造園屋さんと缶コーヒーを飲みながらスウェット野郎について話しました。「最後までキレッキレだったねぇ」と私。「自分知らんの?あいつ〇×建設の次男坊だよ」〇×建設っていうのはわが町ではかなり大きな建設会社です。「ああ、それでメーカーの営業さん引き下がったんだ」と私。「そうそう、たぶんそういう事だよ。フラフラしてんなら、セミナーにでも行って来いってオヤジさんに言われたんだろ」「それにしても、先生の顔、面白かったねぇ」と私。「自分、それも知らんの?」「え、何が?」「あの先生、この町の出身で、さっきのヤツのオヤジさんの知り合いだよ」「…!」「うん、あいつ帰ったらえらい目にあわされるんだろうなぁ」満面の笑みを浮かべながら、何度も一人頷いている造園屋さんの気持ちは手に取るようにわかります。

 まぁ、悪いことはできないものですが、あのスウェット野郎もなんで会場でパンを食べなければならなかったんでしょうか?よくわかりません。念のため、造園屋さんにあのスウェット野郎は何か患っているのか聞きましたが、特にそんなことはなく、1級建築士の資格を持っていて、オヤジさんの会社の社員ということになっているそうです。

 う~ん、変わった人もいるもんだなぁ、と思いましたが、それよりセミナーも捨てたもんじゃないね、という気持ちが強かったですね。帰ってきたばっかりなんで、その後スウェット野郎がどのような運命をたどっていったのかはわかりませんが、この件は特に知らないでいて、想像の中で楽しんだ方がよさそうです。

 帰り際に造園屋さんが「しかし、あのオヤジ(〇×建設の社長)も抜けてるよな!なんであんなヤツを一人で来させたんだ!普通、誰かつけるだろ!!」って言っていたのを今もしみじみと考えています。

 そういう考え方もあったよね、と感心する反面、オヤジさんは知らないんじゃないのかな?とも思いました。それとも知っていながら…。

 まぁ、いずれにしても、誰も良い気分にはなりませんね。