みなさん、こんにちは。
前回もふもふのお話をしたので、押し入れから毛布を4枚引っ張り出して寝てみたら、汗をかいてしまい、翌朝少し後悔しました。まぁ、寝付く前は極楽気分でしたけど。
毛布4枚使うにはまだ早かったのですが、少々動いても汗をかかなくなってくると、掃除でもしてみるかな、という気分になります。一応定期的に掃除機をかけたり、目に付くところは拭き掃除をしたりはしますよ。でも、基本的に無精者であり、仕事柄作業後の掃除をしょっちゅうしますので、普段気が付かないところや細かい汚れまで掃除をするとなると…また今度！となってしまうのです。
さて、その普段気が付かないところを掃除するのに活躍するのが、使い古しの歯ブラシですね。いや、これほんとに便利です。狭いところや指が届かないところもゴシゴシできます。私は新しい歯磨き粉（古い！）を開けるのと同じタイミングで歯ブラシを変えますので、今掃除用の使い古し歯ブラシは5本持っています。
この歯ブラシですが、硬さ、ブラシ底面の大きさや形、毛先の細さ等々種類が豊富に用意されています。私は小さめで毛先が細く硬めの歯ブラシを好んで選びます。もっとも、のちに掃除で使うからというわけではなく、腰の弱いブラシでは歯を磨いたときに満足できないからです。ただ、ヤマギリカットのような歯ブラシはさすがに掃除に使えないので選びませんけどね。
キッチンや浴室の排水口の中はもちろん、シンクや浴槽などのちょっとした汚れも洗剤を付けてゴシゴシすれば大抵落ちます。こういう掃除の醍醐味は、ピンポイントで狙った汚れをきっちり落とすこと、それもまるで汚れなんかなかったかのようにスパッと除去する事に尽きますね。そしてその後、達成感というか、やってやったぜ的な満足感というか、その度にタバコの煙を燻らせて「フーッ…」となりたい気分になります。
これほど汚れ落としに向いた道具ではありますが、歯ブラシを掃除目的で買ったことはありません。百均などでは4～5本セットで売っています。とてもお得ですよね。でも、私はそれをよしとはしません。歯ブラシは歯を磨くためのものなのです。エッヘン！歯ブラシには歯ブラシの尊厳というものがありま…、ありませんけどね。ただ、歯ブラシって私と同じように常に欲求不満ではないかとは思っています。だって、歯磨きをしていて、食べかすなどはきれいに除去できますが、歯の汚れは1回や2回の歯磨きではどうにもなりません。毎日数回の歯磨きを繰り返すことで、少しずつきれいになるものです。ということは、歯ブラシはあのスパッと汚れを落とした快感を知らないまま、処分されてしまうことになります。それではあんまりだと思いませんか？要するにそれまでなかなか効果をはっきり実感できなかった歯ブラシに、最後の輝きの場を与えてそれまで経験したことのない達成感や満ち足りた思いを与えてやりたいという考えなのです。あ、一応私は正常なつもりです。
さて、ブラシというのは実に地味な存在ですが、結構役に立ちます長持ちします。
私が釣りの時に携帯している車洗浄ブラシはかれこれ15年くらい使っています。
柄がプラスチックで、毛がビニールっぽい素材のものです。何に使うのかというと、バッカン（撒き餌を入れる箱）など道具の掃除と、釣り場の掃除に使います。撒き餌というのは時間が経つにつれてどんどん臭いがきつくなります。ですから、海である程度洗って持って帰らないと、車が第一被害者になり、マンションの部屋が第二被害者となってしまいます。でも、海水で濯ぐだけではきれいに落ちませんので、このブラシを使います。また、釣り場も撒き餌などで汚れています。放っておいても雨できれいになると言う人もいますが、私はそれに与しません。私のすぐ後に来た人はきっと嫌な思いをしますし、港で働く人々も良い気分にはなりません。そこで海水を撒いて少し水分を吸わせてからブラッシングします。かなり良く落ちます。
この車洗浄ブラシは確か500円くらいだったと思います。とても軽いので、風が強い日なんかはすぐに飛んでいきそうなものですが、なかなかの粘り腰でこれまでよく仕えてくれています。
そういえば、先日はタモが海へ旅立っていきましたし、これまでもメガネや撒き餌を混ぜる道具も旅立っていきました。大半が風と私の不注意が原因です。ところが、このブラシは度重なる危機にも動じることなく、ひたむきな忠節を貫いています。
こういっためぐりあわせにより、思わぬところで掘り出し物的認定を受ける物って、たまにあると思いませんか？まぁ、そんなに長く使うものでもないし、と思って買ってみなところ、意外に長持ちし、なおかつ重宝しているものです。私の身のまわりでは、…そうそう、20年選手のマグカップがありました。最初に勤めていた会社の同僚が出張の土産でくれたものです。せっかくもらったものだからと、何気なく使い始めたのですが、気が付くと長い付き合いになっています。
車洗浄ブラシはまだまだ使えそうなので、不注意で海に落とさないように気をつけないといけませんね。
そうして考えると、なんだかとても愛おしく思えてきます。そういえば、毛もあることですし、顔をすりすりして…、無理でした。何といってもくさい。洗って乾いているので、そんなに臭いませんが、顔を近づけると例の撒き餌の臭いがします。
よくよく考えてみると、ブラシって非常に過酷な使われ方をしている道具の代表みたいな気がしてきました。なんだかますます愛おしさがこみ上げてきます。
まぁ、すりすりはしませんけどね。
