さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

275 給食…、懐かしいですね。

 みなさん、こんにちは。

 

 給食かぁ…、懐かしいですねぇ、私は食べるのが遅かったなぁ。

 小学校、中学校と当たり前のように給食を食べていましたが、特に中学校での給食の普及率は90%くらいだそうですね。

 特に神奈川県は30%未満だそうで、お弁当やコンビニで買ったものなどを食べていたそうですが、これではイカンと横浜市ではハマ弁給食なるものを採用したそうです。まぁ、よくあるお届けしてもらえるお弁当ですよね。私も昔は利用していました。事務所に届けてくれるアレです。アレはアレでとてもよくできていて、安いし野菜も取れるし、味付けも上品だし、結構気に入ってたんですが、問題が一つだけありまして、現場に持って行けないし、アレがあると喫茶店に行けな…。あ、2つでした。失礼しました。

 しかし、アレを導入するとはなかなかやりますね!と思っていたら、なんと大変不評だとか。どうしてなのかというと、冷たい、美味しくない、取りに行って、片付けにまた行くとなると、少ない食事の時間がますます少なくなっちゃう等々の理由があるそうです。う~ん、まぁ、冷たいのは仕方がないでしょう。私が食べていた給食の汁物だって熱々ではなかったですよ。美味しくないっていうのは味付けが大人っぽいんでしょうか?取りに行って片付けるのに時間がかかるのは、学校側の問題で、お弁当のせいではないと思うんですけどね。

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 まぁ、今の給食が実際どんな風なのかよくわかりませんが、私の頃は大体給食係っていうのがあって、1週間ごとに交代するんですけど、4時間目が終わると、かっぽう着を着て三角巾をかぶり、給食が入った大きな容器を取りに行きます。汁物なんかは2人じゃないと持てませんでしたね。それを持ってえっちらほっちら階段を上ったりして教室にたどり着き、皿やお椀に盛り付けていきます。

 懐かしいですね。先日、職人さんたちと昼食を食べてる時にその話になったんでした。年配の職人さんがカレーを半分くらい食べたあたりで、私は全部食べ終わってしまったものですから、みんなから「だから太るんだ」とか「品がなさすぎる」とか「よく噛まないから胃が悪くなって死ぬ」とか「カレーに申し訳ないと思わないのか」などと、いやぁ、踏んだり蹴ったりでした。

 その時釈明するように話したのが、子供の頃は給食を食べるのが遅くって嫌だった話でした。実際遅かったですね。早い子はそれこそ私が半分も食べていないのに、もうごちそうさましてました。でも、ある程度の子が食べ終わらないと、先生は「ごちそうさまでした」をさせてくれません。食べ終わって昼休みに遊びたい子から恨めしそうな視線を感じながら食べるのは苦痛でした。

 それがある程度みんなと同じくらいの速さで食べることができるようになったのは、6年生くらいの頃だったと思います。

 どうして食べるのが遅かったのかというと、・・・ひっきりなしにしゃべってたからだと思います…。別に胃が受け付けないわけでもなく、味に文句があったわけでもなく、ただはしゃいで、しゃべりまくっていたから遅かったんですね…。ま、まぁ、食事の時は楽しい会話があったほうが…、行儀が悪かったんでしょうね、はい。

 で、先生からはいつも、「くっちゃべってばっかりいるからだ!」って言われ、みんなが片付けた後、ポツンと一人で、残りを食べていたんでしたっけ。ただ、残すこともしなかったので、食器を返しに行くのはいつも私。給食係でなくても私。まぁ、ペナルティみたいなものですね。

 中学生になると、今度はハイエナ状態になっちゃいまして、またもや遅くなったんです。ハイエナ状態とは、全部食べ切れない子の、言ってみれば残りをあさるという、実に浅ましい行為なんですが、育ち盛りというのはそういうものなのです!放課後の野球の練習に備えて、蓄えられるだけ蓄えておかなければなりませんからね。大体自分の分を食べた後、周囲を見回すと、こちらに熱い視線を送ってくる子がどっかにいます。あ、色っぽい話じゃなくって、どうしても食べられないものがあるとか、多すぎるといった困難に直面した子ですね。先生は渋い顔をしましたが、我々ハイエナ集団は「もったいないから」という大義名分を掲げて、毎日奮励努力していたわけです。午後の授業は体力温存のための睡眠時間になってしまうのも、育ち盛りということで、勘弁していただくしかないのです。いや、本当に。

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 そして高校生になると、育ち盛り+野球の練習によってますますよく食べるようになったんですが、その野球部の合宿の時のことです。監督さんから、「全部食べるまで、水を飲むなよ!」って言われちゃって…。今考えると無茶な話なんですが、夏場はどうしても食べるより水分を摂りたがって、栄養が足りなくなっちゃいますからね。そういう理由なんでしょうけど、練習の時にも水を我慢して、食事の時にも我慢するっていうのはちょっとストレスがかかるんですよね。で、どうしたのかと言えば、とにかく早く食べて水を飲む!ということでした。

 噛むなんてしません。口に入れて、飲めるようになったら飲み込んじゃいます。

 で、先ほどの職人さんとの食事はカレー。ウガンダ師匠の永遠の名言「カレーは飲み物」とはまさにこの事だったんですね。

 懐かしい昔話をしてしまいました。

 さて、横浜市のハマ弁ですが、これね、選択制にしているからだと思うんですよ。

 はっきり言って、全校生徒がハマ弁になると、費用はもっと抑えられるでしょうし、搬入についてももっと効率的にできるようになります。さらに言えば、ご飯と汁物は保温性の良い別の容器を使うことだってできますよ。お皿には既に総菜が盛り付けてありますからね。楽なものです。はっきり言って小中学生に好きなものを選ばせたところで、ろくなことにはありません。いったい誰が選択できるようにしようなんて言ったんでしょうか?

 それに、みんなが同じものを食べる中で子供たちはいろんなことを考えます。

 私のようにアホみたいにはしゃいでしまうものや、ハイエナ化するものもあらわれるでしょうし、他にもいろいろなことがあるでしょう。何を食べるのかが個性ではなく、同じものを食べながらでも、それぞれの特徴があらわれるのが個性だと思いますよ。

 各家庭の経済状態のような、まだ知らなくてもいいようなことは知らずに済みますし、そういうその子に原因があるわけでもないことに気を煩わせる必要もありませんし、給食っていうのは、様々なメリットがあります。

 まぁ、冷たいのどうのこうのと言ってる人には逆立ちしてもわからないことなのかもしれませんね。

 昔話に花が咲くとき、あの頃の給食のあのメニューが好きだったとか、あれはおいしくなかったとか、休んだヤツの牛乳をアイツがいつも飲んでいたとか、バラバラな食事ではこんな話できませんからね。

 栄養とかいろいろ考えるのはわかりますが、どうも議論が選択的だとか自由だとか、妙な価値観にとらわれているような気がします。

 給食とは、言わば、「同じ釜の飯を食った」経験を与えてくれる行為なのであって、それが子供たちの将来、その社会性をはぐくむ上でどれだけ貴重なことなのか、よく考えたほうがいいと思うんですよ。

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 ちなみに、私が給食のメニューで一番好きだったのは「クジラ肉の竜田揚げ」でした。あの黒々とした物体に、噛めば噛むほどの風味があることを知ってからは、その日のメニューにそれを見つけると、ハイエナの目はクジラ肉にしか反応しなくなったほどです。そしてハイエナは集めたクジラ肉をすぐに食べ切るのではなく、午後の授業中も少しずつ隠れて味わうのでした。

 いやぁ、また食べたいですねぇ。