さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

208 この国はイデオロギーなんて関係ないですから!

 みなさん、こんにちは。

 

 ミャンマーのクーデターについて、少しずつ分かってきました。

 表向きは「11月の選挙でNLDが勝利してその勢力をさらに拡大しそうな情勢に危機感を募らせた国軍が、選挙で不正があったと主張して強硬策にうってでた」というふうに報じられています。当たらずも遠からず、って感じでしょうか。

 確かにNLDの躍進を止めないと、1/4を占める軍人から造反者が出た場合、憲法改正をされちゃうかもしれないっていう不安はあったのでしょう。でも、それだけでしょうか?相変わらずwiki選手頼みで恐縮ですが、興味深い一文として、「2020年11月8日に執行された総選挙ではNLDの苦戦も予想されたが、蓋を開けてみれば圧勝となった」とのことです。あ、これはアウンサン・スー・チーさんのページです。

 NLDって人気があったんじゃなかったの?スー・チーさんは圧倒的に支持されていたでしょ?って私も思っていましたから、なぜ苦戦が予想されたのかよくわかりませんでした。Wiki選手も詳しく書いていません。

 で、ここからいつもの妄想です。言っておきますが、何の根拠もありませんよ。

f:id:sarukichitail:20210202192100p:plain

 なぜ、あれほど熱狂的に支持されていたNLDが11月の選挙で苦戦しそうだったのか?これは、たぶん期待外れだったからじゃないかと思うんです。

 ミャンマーの人たちは軍事政権から民主化され、自分たちが選んだ政府が立ちあがったら、豊かになれるとでも思っていたんでしょうか?確かに軍事政権は欧米から非難されていて、そっちの方からの投資や援助はなかなか得られませんでした。しかし、中国からはしっかり援助してもらっていましたよ。ですから、国際的に孤立していても、中国からの経済支援により、国は維持できました。

 中国にしてみれば、ミャンマーは市場であり、安価な労働力があり、豊富な地下資源があり、とどめにインド洋への重要な通路になっていますからね。そして、いつものことですが、中国の支援も欧米のグローバリスト同様に、その国の国民に広く富を分配するものではなく、支配層や富裕層に富を投下し、あとはもれなく中国が回収、残ったのは中国に対する負債ばっかりみたいな状態でしょう。

 これは民主化しても結局変わりませんでした。

 なぜかといえば、ロヒンギャ問題がありましたからね。

 本来、スー・チーさんを取り込んで、彼女が名ばかりの民主化を達成し、政権を奪取したら、一気に狩り場にしようと思っていたグローバリスト達はこのロヒンギャ問題で二の足を踏むことになります。一応、建前としては民主主義や人権は大事って言うことになっていますからね。各国政府も、国内でロヒンギャの人たちに迫害をしているような国に積極的な関係強化はできません。

 そうなると、またもや中国の登場です。

 本当に、もう、この国はイデオロギーなんて関係ないですから!

 スー・チーさんもできれば自分の後ろ盾になってくれていたグローバリスト達…まぁ、はっきり言っちゃえばDSですが、彼らと組んでいきたかったんでしょうけど、そうもいきません。かといって、ロヒンギャ問題について、欧米の要求を聞けば、国内での支持を失っちゃいます。軍事政権を倒したのに、期待していた欧米の支援が受けられない、困った、あっ、…中国さんがいるじゃないか!って言うことでしょう。

 中国にしてみれば、先ほどの理由からミャンマーはどうしても抑えておきたいはずです。そのためなら政権なんて何でも良く、欧米の干渉や進出がなければ言うことなし、ですからね。結局、選挙はするようになったけど、あとは同じって状況です。

 ミャンマーの人々にしてみれば、危ない橋を渡ってこれじゃあ、やってられないよね!ってなるのもわかります。それに、政権を取られたからと言って、国軍と中国との関係も切れたわけではありませんし、国軍から国民に対して切り崩し工作だって当然やっていたでしょう。

 要するにミャンマー民主化民主化って叫んでばかりで、結果として国民の生活はほとんど何も変わっていないんじゃないでしょうか?実に気の毒なことです。

f:id:sarukichitail:20210202192123p:plain

 さて、せっかく民主化して、欧米(DS)からの支援が得られそうだったのに、それを完全に妨害しちゃったロヒンギャ問題についても触れておきますね。

 この問題の原因を作ったのはいつも登場するイギリスです。

 イギリスって国はアフリカ、中東、南アジア、東南アジアに多くの植民地を持っていました。ミャンマーバングラデシュもその中に入ります。ロヒンギャの人々はイスラム教徒で、もともとミャンマーにいたこの人たちは多数派の仏教徒と仲良く暮らしていたそうです。しかし、イギリスがミャンマーを植民地化(英領化)する過程でベンガル地方バングラデシュ)からもイスラム教徒が移ってきたそうです。それによって、緊張関係に変わり、第二次世界大戦中は多くのミャンマー人(ビルマ人・仏教徒)がイギリス側のイスラム教徒に殺害されたこともあり、ミャンマー国内のイスラム教徒であるロヒンギャの人々のことが大嫌いになっちゃうんですね。

 本当に、途上国内における対立のほとんどがイギリスなど、当時その国を植民地としていた欧州諸国の苛烈な支配と無責任な戦後処理に原因があります。にもかかわらず、すっとぼけて人権人権と言っているのにはあきれてものが言えませんが、まぁ、文句を言っても始まりませんね。

 ロヒンギャの人々に対するミャンマー国内での敵愾心や差別感情は第二次世界大戦後からのものなので、今ではそれがミャンマーでの常識になっているんでしょう。

 これは深刻な問題なんです。もう70年以上も続いているのなら、当然代替わりしていますし、そうなると、当初の理由なんか曖昧になってしまい、憎しみや差別感情だけが強くなっちゃいます。そして、そういう国民感情は為政者にとっては、いけないことだけど、統治の助けになります。不満をそっちに持って行けますからね。ですから、外野がどれだけ騒いでも、容易に解決に踏み出さないんですね。

 まぁ、差別感情のお話は置くとして、基本的に軍事政権であろうが民主政権であろうが、ロヒンギャ問題には関係がありません。

 結局、スー・チーさんが欧米(DS)のいうとおり解決に動けば国民から不興を買いますし、国内の差別や迫害を容認すれば欧米からそっぽを向かれちゃうわけです。

f:id:sarukichitail:20210117154135p:plain

 話を戻しますが、選挙の不正はおそらくあったと思います。証拠なんかありません。ただ、国軍がクーデターなんていう手段に訴えてまで政権の維持に固執したのは、彼らの利益と中共の利益が合致したからではないでしょうか。

 先ほどから申し上げているように、スー・チーさんはおそらくDSの影響下にあります。現在アメリカや欧州でちょっと旗色の悪いDSが、アジアにおいてこれ以上中共の浸透を警戒するのはよくわかります。利害が一致するときはDSと中共は手を組むんでしょうが、依然として主導権の取り合いはしていますからね。

 ですから、スー・チーさんの方に政権があるほうが、DSにしてみればやっぱり都合がいいんでしょう。足がかりは残しておきたいですし、中共ミャンマー政府の距離もコントロールでしますからね。

 ミャンマーにおける裏の勢力争いは、中共が一歩リードっていう感じでしょうか。

 それにしても、こんな妄想をする度に、どの国も国民そっちのけで何をやってるんだか…、って思います。

 まぁ、日本も当然その中の一国ではありますが。