さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

111 あ~、自己嫌悪の二段攻めになっちゃいました!

 みなさん、こんにちは。

 

 今日は風が強いです。

 これで寒かったら外での作業は大変ですが、気温は???ってなるくらい暖かいので、まぁ何とかなりますね。長い木材等を運ぶときは風にあおられないように気を付けないといけませんが、こういう時はまとめて搬入するようにして、つまらない事故を防ぐようにしています。

 さて、最近私の三徳包丁の切れ味が尋常ではありません。

f:id:sarukichitail:20201119120100p:plain


 以前お話したかもしれませんが、私の三徳包丁は十年以上のベテラン選手で、研ぎながら使っていたせいか小さくなって来たので、先日後釜として牛刀を買いました。しかし、別に切れなくなったわけでもないし、愛着もありましたので、三徳包丁は菜切り包丁としてこれからも使おうと思っていました。

 それで、まぁ、何かあると包丁を研ぐ癖が私にはありますので、菜切り担当になった後もこの三徳包丁は私のストレス発散も担うことになり、何度も研がれる羽目になっちゃいました。それで、先日鶏肉を切るのに間違えて三徳包丁を使ってしまったんですが、驚くくらいに切れます。ウニウニして切りにくい皮の部分もスパッといきます。

 あれっ、こんなに切れ味が良かったっけ?と思い、別の日にアジをさばいてみました。スーパーで売っているアジは、少し身が柔らかくなっていて捌きにくいんですが、スッスッと刃が入っていきます。普段は手で剥がす皮も、試しにやってみようとそいでみると、チュルチュルといけます。あれ?なんで?と困惑する私。だって、この包丁は長年研ぎながら使ってきたものですし、突然こんなに切れるようになったことはありませんでした。こんなに切れるヤツだったっけ?と何度も首をひねりながら、「う~ん、こんな事なら牛刀はいらなかったかも」とも思うようになりましたが、よくよく考えてみるとこれは間違いでした。牛刀を買ったからお古の三徳包丁はよく切れるようになったのでした。

 あ、牛刀が手元に届いた瞬間に切れるようになったわけではありませんよ。当たり前ですよね。そうではなくって、牛刀っていうスペア(本来はこっちが主に使う予定でした)ができたため、三徳包丁の研ぎ方が遠慮のない激しいものになったからでした。

 私はどっちかというと慣れないことをする時には恐る恐るおっかなびっくりでやるところがあります。ですから、今までの研ぎ方はちょっと緩かったのでしょう。しかし、この包丁研ぎを失敗しても新しい牛刀があるから大丈夫!ってなったら途端にゴリゴリ刃を削るような研ぎ方をするようになりました。げんきんなものです。その結果、三徳包丁は本来の切れ味を取り戻したってことですね。

 ということは、他の出刃や柳葉も研ぎが甘かったっていうことがわかります。

 新しいのに、なんか切れ味が悪いなぁと思っていましたが、安物だから仕方ないのかなと変な納得の仕方をしていました。でも、それもどうやら間違いのようで、怖がって研ぐから、変な角度で砥石にあてていたので刃先は研いでいなかったみたいです。

 それがわかってからは、「刃こぼれするならしてみやがれ!」と訳の分からない勢いで研ぐようになり、…見事に柳葉包丁が刃こぼれしちゃいました。やりすぎも良くありませんね…。幸い刃こぼれしたのは柳葉の根元のあたりだったので、なんとか研ぎまくってリカバリーできました。ちょっと変な形になりましたが、これでこの世に2本とない包丁になったね、と思うことでなんとか落ち込んでいた気分を回復させました。

f:id:sarukichitail:20201119120010p:plain

 みなさんもこんなことありませんか?

 道具などが一つしかない時は使い方も手入れの仕方も恐る恐るおっかなびっくりでするくせに、スペアを用意したり、新しいものに交換した途端、古いものは荒っぽい扱いになっちゃうこと。

 私は自慢(?)じゃありませんが、けっこうあります。はい。

 新しいコンベックスを買ったら、途端に古いものは泥の中でも水の中でも躊躇することなく使っちゃいます。あ、コンベックスっていうのはスケールとかメジャーとかいう道具です。みなさんも1つくらいはお持ちでしょう。長さを測るために先の爪をひっかけて伸ばして使います。終わったらバネの力で巻いてくれます。そう、あれです。

 ノミも新しいものが手に入ると、古いノミは木の中に釘があろうが何だろうがお構いなしで打ち込んじゃいます。もっとも、私が使うノミは所謂DIYノミで、焼きが入っていないものですから、さほどもったいないお化けが出てくることもないでしょう。

 しかし、このことに気が付いてしまうと、何と言いますか、自分の薄情で冷酷な部分を認めなければならなくなります。これはかなり精神的にキツイことです。

 ん、ちょっと待ってください!もしかして、新しいものを手に入れると、古いものをすぐに捨てちゃう人って、自分のそういうところを隠すためにそうしているのでは?ということは、古いものを捨てきれずにいる私の方が、人情において徳が高いと言えるのではないでしょうか。それまでさんざん世話になっておきながら、新しい道具が手に入るや否や、まだ使えるにもかかわらず、無残に捨ててしまう人間なんかよりも。

 …いや、違いますね。

 自分に過度なストレスがかかると、すぐに他人のことを持ち出して、自分を肯定しようとする私。あさましいと言ったらこれ以上のあさましさはないですね。

f:id:sarukichitail:20201119120201p:plain

 あ~、自己嫌悪の二段攻めになっちゃいました!

 それに、スペアを用意することで元々あったものの真価が発揮されるというのであれば、いろいろなものにスペアを用意しなければならなくなります。TVもコーヒーメーカーも竿もリールも、あっ、竿は実際そんなことしてる、あ~何という事でしょう。

 このままでは、断捨離どころか常に物が二重に用意されている状態を目指すことになっちゃいます。そんな余分なお金はないですし、そもそも2つも持っていたら、絶対片一方は使わないですよ。それこそもったいないお化けに食べられちゃいます。

 いっいや、ちょっと待ってください!

 もし、スペアがないと本来の真価を発揮できないとしたらって、じゃあ私の本来の真価を発揮しようと思ったら、私のスペアが必要ってことになるではありませんか!

そんなの無理に決まってます。無理です。無理!

 フ~ッ、まぁ、落ち着きましょう。(私が)

 とりあえず、今日のところはもうダメだと思っていた三徳包丁が、再びその輝きを取り戻したってことで良しとしましょう。あんまり自分を自分でいじめてはいけません。

 うんうん。それがいいでしょう。

 ところで、私の釣りの師匠は魚の当たりに合わせるのがとても上手です。

 包丁を研ぎながら、ふとそのことを思い出したんですが、ひょっとしてあの針がかりの良さは、私に内緒で針先を研いでいるからなのでは?とまたもや邪悪な妄想が頭を過りました。ムムムー!だとしたら、私は謀られていたことになります。考えてみると、ちょいと竿を煽るだけでがっちりフッキングしていましたからね。

 おのれ~!…ん、そうだ!ならばこっちも師匠に内緒で水に強いサンドペーパーを手袋の甲に貼っておき、研いだ針できっちり魚をかけてびっくりさせてみましょう。うん、それがいいですね。我ながら相手を出し抜く良いアイデアです。

f:id:sarukichitail:20201119120246p:plain

 そう思っていたら、今年はコロナの影響で年末の師弟対決を見送ることにしたのを思い出しました。

 クッ、またしても企画倒れになってしまいました。