さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

㊳現在、喫茶店に限らず飲食店の経営はどこも大変な状態だと聞いております。

 みなさん、こんにちは。

 

 秋になりますね。

 食欲の秋、これはダイエット中の私にはちょっと…。恋の秋、ウーン。読書の秋、やっぱりこれにしておきましょう。

 あいかわらず文庫本を鞄に2~3冊入れています。

 外出先でも読めるようにと考えてそうしているのですが、最近はもっぱら車内で読むことが増えてきました。まぁ夏の間はちょっと暑すぎたので、どうしても屋内で読むようになっちゃいます。以前は喫茶店を利用していた(内緒)のですが、最近はちょっと難しくなってきたようなので、それなら車の中でいいやってことになっています。

 喫茶店を移用するのが難しくなったのは、別に内緒にしていたのがバレたからでも、いつものようにエアコンにあたっているのがつらいからでもありません。…バレてはいないと思うけど。たぶん…。

 そうではなくて、喫茶店が減ってきたことと、禁煙になってしまったお店が増えてきたことが理由です。

 あ、喫茶店と大雑把に書いていますが、私の言う喫茶店は昔からあったような薄暗くて、静かで、クラシックやジャズが聞こえ(稀に演歌を聞くこともありました)、テーブルには灰皿と砂糖となぜか塩が置いてあり、全体的にくすんだ色あいで寂れた感じのお店です。…絶滅危惧種でしょうか。

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 先日、新しい喫茶店を偶然発見しました。外壁の大部分をガラス窓で構成し、少し明るめの雰囲気は若干好みと違いますが、小体な佇まいとシンプルな調度品はなかなか良い印象。極めつけは棚に置いてある木彫りの熊(魚をくわえている)。きっと北海道土産なのでしょうが、全体の雰囲気にそぐわぬものを無遠慮に置いているところも逆に私の偏屈な心を擽りました。ムムムッ、なかなかのお店!久々に好敵手を得た思いで沸き立つ心を抑えながら席に着くと、テーブルに灰皿ないのに気が付きました。「あのう、灰皿は?」と注文を取りに来たママさんに言うと、「あ、ウチ禁煙なんです」「あっ、そうなんですか」「ええ、どうします?」…どうします?とは予想外のセリフ。無論、そんなことで尻尾を丸めて逃げてしまうような私ではありません。「いや、別に構いませんよ。ホットください」申し訳なさそうな顔で注文をうけ、カウンターの向こうに去っていくママさん。その後、小一時間ほど鬼平を読んで過ごしました。うん、ブレンドは美味しかったですよ。ちょっと居心地は悪かったですが。

 私はタバコを吸いますが、別に半日くらいは我慢できます。最近、広い喫茶店で禁煙席と喫煙席を分けているお店をしょっちゅう見かけるようになりました。時代の流れだね、なんて思いながら喫煙席に座るのですが、混んでいてなぜか禁煙席しか空いていない時は別に気にせず禁煙席に座ります。平気といえば平気ですが、くつろげるかと聞かれれば、ちょっと難しいかも、となります。

 自分の中で喫茶店というのはお茶とたばこを楽しむところ、という固定観念が未だに拭いきれていないのでしょう。さらに先ほどのママさんだけでなく、少し年長のお店の方のほとんどが喫煙者に対して申し訳ないのか本人も納得していないのか複雑な表情で対応されます。そうなると、こちらの心も沈みがちになってしまいます。むしろ当然禁煙ですよ!とあっけらかんと言われたほうがすっきりしますけどね。

 飲食店での禁煙の法律が今年4月1日より施行されましたが、コロナ禍でそれどころではないのか、あまり話を聞きません。でもチェーン店などは禁煙になっているし、まぁそうなんでしょう。以前から駅でも吸えなくなっていましたし、そういうのに慣れてきたので、それでよろしいかと思います。私は喫煙者ですが、こうした世の中の動きにはどっちかと言うと賛成なんです。他の人が迷惑している中でタバコを吸ってもおいしくないですし。喫茶店でタバコを吸いながらコーヒーを飲んで好きな本を読む、という極上のくつろぎ方からタバコだけ無しにしたくつろぎ方に早く慣れるようになりたいものです。今はなかなか難しいですが。

 しかし、禁煙に慣れたところで、好みの喫茶店自体がなくなってしまっては本末転倒です。なにしろ私でさえ絶滅危惧種では?と思うくらい最近のニーズからかけ離れたような雰囲気のお店ですから。さらにコロナ禍の追い打ちでにっちもさっちもいかなくなっているお店も多いことでしょう。もっとわがままを言えばストレートコーヒーを扱っているお店も激減しているような気がしています。私はブラジル(サントスNo,1みたいな)が好きなんですが、今はもっぱらカフェオレやカフェラテみたいなブレンドに何かを混ぜるコーヒーが主流のようですね。これでは、たまに浮気してブルマンを飲んでみたり、2杯目にゴメンねとブラジルを注文したりできなくなります。…くだらないですか?

 後出しになるようで申し訳ございませんが、もう一つ私が喫茶店に求める要素がありまして、それは隠れ家的要素です。これについては一定数同意をいただけるような気がしています。あ、別に仕事中に喫茶店でくつろいでいるのがバレないようにしたいから、というわけではありませんよ。私にとって隠れ家的な感覚っていうのは、さっきまでいた世界からちょっとだけ自分の存在を別の世界に移してしまうような感覚です。昔先輩から教えられましたが、商談が連続するような日にはその合間に喫茶店にでも入って気持ちをリセットするようにしたほうが良いそうです。…本当に。実際そうしてみたら、とりあえずそれぞれの商談に集中できるようになりました。…本当に。終わったばかりの打合せを振り返ってみたり、次の打合せの資料に目を通したり、その店に置いてある漫画を読んだりして過ごします。あ、私はもっぱら最後のヤツでしたけど。そういうお店はなぜか敷地の周囲に背の高い生垣があって、駐車場の中がわからなくなっていましたが、それは店側の配慮ということで、私は一切関知しておりません。

 気持ちをリセットするなら別に喫茶店じゃなくてもいいんじゃないのか?という声が聞こえてきそうですが、だめなんです。喫茶店じゃないと。コーヒー飲みたいし、本や漫画を読みたいんです。さらに他の人が働いているのに私はこんなところでくつろいでいていいのだろうか?という罪悪感がかえって次の打合せに対する気持ちを盛り上げてくれます。(あ、ダメ人間の言い訳そのものですね)

 明るくて開放的で洗練された喫茶店…というかカフェって言ったほうがいいのでしょうか、そういうお店では私は満たされないので、最近はコンビニのコーヒー(Lサイズ)を車の中や車の周りで飲んでいます。とりあえずお店の人が入れてくれるローソンに限定しています。時々「えっ、あなたがいれるんですか?」「ちゃんと手洗った?」って言いたくなる店員さんもいますが、まぁ、自分で機械の前に立つよりはましかな、と思って我慢します。

 

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 現在、喫茶店に限らず飲食店の経営はどこも大変な状態だと聞いております。

 コロナが終息して早く以前のような活気を取り戻してほしいのですが、その時に私好みの喫茶店が何件残っていることか。私にできることはタバコくらい我慢して、喫茶店巡りの手を緩めないことでしょうね。なにより仕事中の罪悪感や背徳感こそ心の潤いになるのですから。(コレ本音)

 ついでにタバコをやめようかなぁとも思いますが、これはこれで心の潤いですから、心が渇かない程度に、ということで。(ダメ人間の言い訳2)