さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

138 「ヤバいって言葉は、ヤバいくらいにヤバいところがヤバいよね!」

 みなさん、こんにちは。

 

 ツイッターを眺めていると、みなさんのキレッキレのセンスに驚かされます。

 有名人のツイートを拝見することもありますが、今のところそれどころではなく、一般の溢れる才能に触れているだけでお腹いっぱいな状態です。

 今はアメリカの大統領選の情報が欲しいので、そちらの方面のツイートをよく見ているんですが、たまにドギツイ表現を見かけるものの、概ね穏やかなコメントのようです。その中には風刺的なものもあり、これがなかなかの切れ味を見せてくれます。はっきり言ってTVや雑誌をみるよりも数段上の刺激を味わえます。また、それらの人がフォローしている人々の中には政治ネタから離れて、純粋に笑いを提供してくれる人もいます。面白い動画を添付している人やデフォルメした絵をアップしている人もいます。でも一番面白いと感じるのはコメントと添付画像のコンビネーション系ですね。私のハートをガッチリキャッチしてしまう作品(?)は何度見ても飽きません。

 本当に恐ろしい使い手がいるものです。

 そんなツイッターですが、私がイメージしていたのは、もっと砕けたよくわからない言葉やラフな話し言葉であふれているんだろうなぁ、というものでした。匿名であり、相手も見えませんから、遠慮のない攻撃的で汚い言葉が氾濫しているようなイメージですね。うん、これは完全な誤解、というか先入観に取りつかれていたようでした。

 ほとんどの方が礼儀正しく、会話を楽しんでいるような感じです。もちろん砕けた言葉はありますが、決して(不特定多数の)相手を侮辱するものじゃなくって、まぁ、言ってみれば、茶目っ気を出しているようなものですね。で、もう一つ気が付いたことがあるんですが、みなさん「ヤバい」って言葉をほとんど使いません。もっとも、私が好んで眺めている範囲において、ですけどね。

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 「ヤバい」という言葉は実に多くの意味を内包していて、話し言葉としては大変重宝します。「ヤバいって言葉は、ヤバいくらいにヤバいところがヤバいよね!」と言っても、ある程度意味が通じてしまいます。こんな言葉は他にないでしょ?危ないとか、すごくとか、とても良いとか、その意味はもうめちゃくちゃです。この「ヤバい」という言葉のオールマイティな力は、前後の文脈やその場の状況、話し相手との関係で様々な意味を伝えられるところだと思います。まぁ、ほぼ万能の話し言葉です。

 でも、ツイッターではほとんど見受けられません。どうしてなのか?おサルのおつむで考えてみました。

 たぶん、誤解なく、より明確に自分の考えを伝えたいから、ではないかと思うんですが、どうでしょう?

 私がアメリカの大統領選に纏わるツイートをよくみていること、つまり政治的なツイートですね。それとツイッターの性質として、投げかけた言葉に対して返事が返ってきます。メールなどよりもはるかに早く、不特定多数の人々からです。この2点が不明瞭な伝わり方で良しとはできない理由なのではないでしょうか。

 政治的なメッセージは曖昧な表現を嫌います。ムニャムニャとはっきりしないことを延々話されると、一体何が言いたいんだ!って叱られちゃいますもんね。

 また、不特定多数が相手と言う点はショートメールやLINEと違うところなのかもしれません。まぁ、中には「~さん・・・ですね」のようにメールのように使っている人もいますけど。…べっ別に羨ましくなんかないですよ!寂しくもないですっ!いいんです!そんなの、別に…。

 失礼しました。

 それで、ツイッターで「ヤバい」っていう言葉を多用してしまうと、どうなるでしょう。そりゃ、受け手の都合で解釈するか、よくわかんないけど「う、うん、ヤバいね」って言っとこうかな、ってなっちゃいますよね。前後のつながりとか、画像の添付とか、その方のこれまでのツイートとかの手がかりがあれば見当もつきますが、いきなり「これ、ヤバくね?」と言われても、こっちはさっぱりわかりませんからね。会話の中では圧倒的な範囲をカバーできる言葉も、こうなっちゃうとかえって暗号のように不可解なものになってしまいます。不思議なものです。

 さて、こうして考えると、SNSのような新しい技術に対して反動的な印象(軽薄で無責任でともすれば退廃的な)を改めなければなりません(今さらですが)。

 それは、不特定多数の人にきちんと自分の考えや主張を伝えるために、あるいは笑いを提供するために様々な創意工夫を行う人々の集うところであると。

 ちなみに、私をフォローしてくださる方の中に、なぜが下着姿の写真を添付している方がいます。今のところそうした方面には手を出していないのですが、これは一体どういうことなのでしょう?一応私の心の中で激しく警戒音が鳴り響いています。

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 う~ん、なんだか恐ろしいところでもあるような気もしますので、あまりにも人恋しい時にはツイッターはみないほうが良いのかもしれませんね。

 曖昧な返事をした日には、自分をとんでもない状況に追い込んでしまいそうです。

 ほんと、ヤバいです…。