さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

㉘数年ぶりに完全ボウズ(魚が1匹も釣れないこと)でした。

 みなさん、こんにちは。

 

 昨日、釣りに行きました。

 数年ぶりに完全ボウズ(魚が1匹も釣れないこと)でした。

 悔しいというよりも、こんなこともあるのか、と驚きの気持ちが強かったですね。

 と言いますのも、ふかせ釣りっていうのは撒き餌をしますので、よほど水温が低い2月ならわかりますが、夏場は小アジや小サバなどのエサ取りが出てきますし、常連のフグやベラなどが絡んできます。

 実際、周りではアジのサビキ釣りが盛況で、ファミリーでたくさん釣っていましたし、私の足元にも小アジがたくさんいました。

 しかし釣れない。釣れないどころかアタリすらない。

 朝6時30分から10時頃まで、正味3時間程度の釣りでしたが、終わった後、ちょっとだけボ~ッとしてしまいました。暑さにやられたのではなく、1匹も針にかけられなかったことをきちんと認識できなくて。

 

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 昨日は一人で釣りに行ったのではなく、親しい友人とその子供さん2人の合計4人で近くの港に行きました。子供さんがいるので、水面から高さのある防波堤ではなく、水面から1mもないような岸壁を選びました。

 朝6時過ぎに現着しましたが、結構込み合っていたので、車を横付けできるところがなく、少しだけ歩かなければなりませんでしたが、子供さんにとっては周りを気にせずに釣りができそうな場所が確保できて良かったです。既に釣りをしている親子に挨拶をしながら様子を窺ってみると、5~8㎝くらいのアジがコンスタントに連れているようなので、少し安心しました。

 それにしても、最近は子供さんにきちんとライフジャケットを着せている親御さんが多くて感心しています。そして、そんな親御さんのほとんどがご自身もベルト状の簡易的な救命胴衣を着けておられます。

 大変結構なことです。あとはいっぱい釣って、しっかり楽しんでほしいものです。

 我々も皆装備を整え、準備をして釣りを始めましたが、方々で撒き餌をされているので、なかなか近くに小アジなどが寄って来ず、少し焦りました。友人ファミリーはサビキ釣りをするので、魚がいなければ話になりません。しかし、彼らの餌を寄せ餌として撒き過ぎると、釣る段階でなくなってしまうので、私の撒き餌で寄せてみました。

 10分くらい経ってから、ようやく小アジの群れが到着し、友人ファミリーも釣り開始です。私はふかせ釣りで、寄ってきた小アジの周りにいる大きめのアジ、もしくはチヌでも釣ろうかなぁ、なんて軽く考えていました。

 友人ファミリーは初めなかなか釣れませんでした。あ、友人は釣りに関してはビギナーみたいなものです。ですから親子そろって、「魚がいるのに釣れない!」とプリプリしていましたが、次第にコツをつかんだようでちょこちょこ釣り始めました。

 内心ほっとして、少し自分の状況を確認してみると、よく考えたらアタリすらなかったことに気づきました。友人ファミリーのことをずっと気にしながらとは言え、エサ取りの襲撃にもあっていないのはどういうことなのでしょうか?

 仕掛けを変えようかなぁ、と思っていたら、友人ファミリーから急に釣れなくなったとの声がかかりましたので、見てみると確かに餌に群がっては来るものの、餌を食べてはいません。これでは疑似餌の針に食いついてはくれません。釣りを開始してから1時間くらい経っていました。周りにいた親子が次々に帰っていきます。暑さから出てくるのとは別の嫌な汗が流れてきました。

 帰っていく親子は口々に「急に餌を食わなくなった」とか、「方々で餌を食って満腹なんだろう」などと言っていました。少し考えてみて、ちょっとだけ釣り場を休ませてみました。要するに30分くらい撒き餌をやめてみようというわけです。その間にトイレに行ったりパンをかじったりしてもらいました。水分は頻繁に補給していましたので。すると、再開後は以前に増して釣れるようになりました。小アジの群れが入れ替わったのか、彼らも空腹になったのかは知りませんが、これで一安心です。

 で、その後の私はというと、相変わらずさっぱりです。

 初めのうちは友人ファミリーが気になったので、何となく竿を出していただけでしたが、再び釣れ始めたのを見てこっちも何とかしなければと、タナ取りから丁寧に始めましたが、やっぱりだめ。そのうち友人ファミリーがベラを釣ったり、小アジが大きな魚に捕食されるところを見た、という情報が入ったりしてきました。

 

 ほとんど初心者の親子がサビキとは言えバシバシ釣っている横で、チヌ竿を手にした私は全く竿を曲げることがない状況。普通なら、悔しいやら恥ずかしいやら焦るやらして心が千々に乱れるところでしょうが、生憎私は不思議とそんな風にはなりません。だから今でものんびりと釣りができるのかもしれませんね。

 このような状況になった時、私はひたすら見えないターゲットをイメージしながら、どうすれば餌に食いついてくれるのか、どうすれば針にかけられるのかを考えます。ここには魚がいない、と考えてしまえば楽なのでしょうけど、そのようには考えません。魚がいそうにないのなら、いそうなところへ移動するのが最も合理的です。でも、私はほとんどの場合、それはしません。別に友人ファミリーがいるからではなく、一度決めたところで釣れないなら釣れないで、あれこれ四苦八苦しながら釣りをしているのが楽しいのです。この点は、自称玄人釣り師の方々から「バカだねぇ」とよく笑われたりしますが、別に気になりません。

 こうした考え方はなかなか理解していただけないようです。自分でもわかっているのですが、釣りを始めると、根が生えたようにその場から動かなくなります。釣れない時も、エサ取りのアジやサバに襲われている時も、早めに見切りをつけて違うポイントに移動するよりも、その場であれこれと手を変え品を変えやっているほうが楽しいですね。そうこうしているうちに頭の中はそのことでいっぱいになります。

 リラックスしていても、仕事のことや、プライベートのことがいろいろと頭に浮かんで、休みなのに休んだ気がしないことはよくあります。本を読んでいてもその本の内容にうまく引き込まれないと、ついあれこれ気になってしまいます。でも、釣りを開始して、さてどうやって釣るのかを考え始めると、だんだんそれだけになっていきます。もっとも、最近の傾向としては、エサ取りのアジやフグなどを躱さなければならないことが多くて、その度に仕掛けを直したりして忙しくしていました。アタリすらない状況というのは氷点下の中で釣っていた時以来ではないでしょうか。その時もフグは釣れましたけど。ですから、本当に何も釣れなかったのは久しぶりで、前に同じようなことがあったのはいつなのか思い出せないくらいです。まぁ、本命(ねらっている魚)が釣れないのを基本的にボウズと言いますので、そういうボウズならしょっちゅうありましたよ。

 

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 後から考えてみると、もう1・2時間続けていれば、何らかの釣果はあったような気がします。潮とか、撒き餌の効果とか一応根拠はあるのですが、まぁ、今回はこれで良しとします。何より友人の子供たちから「また釣れた~!」の声を聞くたびにほのぼのとした良い気分になれましたので。

 釣りが終わり、車のまわりで片付けていると不意に友人から「何か釣れた?」という無慈悲な質問があり「いやぁ、今日は何も針にかからなかったよ」と答えたところ、それまではしゃいでいた子供たちが「・・・」となってしまいました。その憐れみを込めた態度に、まだ小学生のくせに大人に気を使うとは、何という残酷な子供たちだろう、と思いっきり動揺してしまいました。釣りの最中は心が乱れることはなかったのに。

 せめて「やーい、ボウズ、ボウズ」とこき下ろしてくれたほうがずっと楽な気分でいられたのですが。