みなさん、こんにちは。
昨日、雨が降りました。一時激しく降ったので、ゲリラか?ゲリラなのか?と心がざわつきましたが、それほどでもないようでした。ただ、雷さんまで連れてくることはないだろうに、と少々恨み節になっていました。
ニュースで雷に打たれた方がいて、一人はなくなったと聞きました。本当にお気の毒です。心からご冥福をお祈りいたします。
私は雷が嫌いです。地震、雷、火事、オヤジ、とありますが、断トツで雷が嫌いです。というより正直に言って怖いです。なんであんなものがこの世にあるのか、さっぱりわかりません。本当に困ったものです。
なぜ雷をこんなに恐れるのかというと、それは後でも述べますが、そもそもヤツら(雷さんのことです)はこちらに覚悟をする暇も与えず、襲ってきます。ヤツらは「寝込みを襲う時でも、相手の枕を蹴ってから斬る」の精神を持ち合わせていません。木であろうが、建物であろうが、人であろうがお構いなしです。まさに傍若無人な振る舞いなのであって、いつか天罰が当たってほしいものです。うん?雷さんのことを天の声(天罰)って言わなかったっけ?天の声に天罰を…ムリ。天罰すら与えられないなんて、本当に最強最悪ですね。
ならば雷さんを吸収して充電もしくは発電ってできないものでしょうか?もしできるなら、ヤツらのせいで失われる命が助けられますし、これってクリーンエネルギーって言うんでしょ。こういうのを一挙両得って言うのです。
調べてみると、まだできないそうです。
あのう、思うんですが、人類の英知をもう少しこっちのほうにもまわしてほしいんですけど。5Gとか最新兵器が必要だというのはわかりますが、雷発電のほうが人の役に立ちますし(少なくとも私の役に立ちます)、相当な利益が出ると思いますよ。例えば無人の電気を集める飛行機を作って、雷が発生しそうな雲の中に突入。帰ってくる頃には電気でお腹がいっぱい!というのはどうでしょう。風力発電と同様に雷が発生するのを待っているのでは効率が悪いという懸念を払拭できるアイデアだと思います。
まぁ、私は電気のことがさっぱりわかりませんのでこんなことを言うのですが。
これは私がバイクに乗っていた頃の話です。当時はスズキのハスラー50からホンダのXLR250に乗り換えていました。相変わらずオフロードバイクです。オフロードバイクは決してスピードが出るタイプではありませんが、走る場所を選びませんし、軽いので取り回しもその大柄な車体からは考えられないくらい楽ちんです。単気筒なので燃費も良く、7Lで300㎞以上走ります。難を言えばキック始動なのと、足が届かないことくらいで、走り出してしまえば問題ありません。(交差点でエンストすると大問題になりますが)
そんなXLR250で夜の高速道路を走っていた時です。その日は、かなり激しい雨が降っていましたが、当時の私とXLR250のコンビに怖いものはありませんでした。望むところよ、とばかりに人馬(あ、馬はバイクのこと)一体となってスコールの壁を突き破りながら水しぶきの塊となって爆走(本人の感覚)していました。
ちょうど山間の高架に差しかかった時、パッとあたりが白く光り、ほぼ同時にバーンという音とビリビリと痺れるような振動がありました。(実際音はよく覚えていません)たまたま登坂車線を含めて片側3車線の真ん中を走っていたため、よろけながらも転倒せず、最寄りのPAへ避難。PAにたどり着くまで、なぜか息を止めていて、苦しくなると少しだけ呼吸してまた息を止める、を繰り返していました。本能的に「今息をしたらやられる!」と感じていたのかもしれません。人間パニックになると、意味不明な行動をする典型的な例だと思います。
たどり着いたPAの自動販売機コーナーは、気の利いたことに屋内にありました。そこでとりあえず休憩。白い光を感じたときから雷だ!とわかっていましたが、落ち着いたので、やっぱり雷だ!と再確認。誰もいないのに「やれやれ、困ったものだ」と平静を装いつつ、心の中では年末のステージで第九を歌っている人たちによる「こわいよ~、こわいよ~」の大合唱。その後1時間くらいそこにいるハメになりました。
避難中、外を眺めるとXLR250がぽつんと雨に打たれていました。
「オレも中に入れて!」という叫びが聞こえてきそうでしたが、さすがにそれはできませんでした。防犯カメラがありましたし、邪魔になるし。「ごめんよ、耐えてくれ」とのつぶやきが彼(XLR250)に届いたのかどうかわかりませんが、雷が去り、雨も上がったところでエンジンをかけようとしたところ、なかなかかかりませんでした。
普段なら、「なんでかからないんだ!!」と腹を立てるところでしたが、この日は「まぁ、仕方ないね」と妙に納得していました。
この時から私は雷さんが大嫌いになりました。トラウマみたいなものでしょう。
以前、私の同僚の女性で、雷さんのことが大好きな人がいました。
雷のゴロゴロが聞こえると、仕事をほっぽり出して、キャーキャー言いながら窓際に立っていました。もちろん怖がっているのではなく、稲妻の姿に歓声を上げていたのです。私にしてみれば、変態か精神異常者のどちらかですが、彼女に言わせれば、「こんなきれいなものはない。本当はもっと近くで見てみたい」のだそうです。さらに「こんなきれいなものを怖がっているあなた(私のこと)はどうかしている」とまで言われてしまいました。仕方なく前述の経緯を説明したところ、それこそまさに彼女の望む状況とのことで、話になりませんでした。先ほど申し上げた、無人の電気を集める飛行機にぜひとも括り付けて飛び立ってほしいものです。本人も本望というものでしょう。
日光も雨も風も雪も、過ぎれば災害になりますが、普段は人間にとって恵みとなります。最近は大雨の被害が毎年のように出ていますが、以前雨が降らず水不足になったこともありますね。自然は人間ごときが制御できるものではないことを、その度に思い知らされます。ですから、その中でいかに生き続けていくのか、さらにより快適に、と人はその英知を振り絞って自然との共存をはかってきました。先人たちの偉業に対してただただ敬服するのみです。
ですが、あのう、不謹慎なのはわかっていますが、雷さんのことを忘れていませんか?
しばらく我慢していたらそのうち通り過ぎるから、などと逃げ腰になっていませんか?まぁ、うちのほうではあまり雷はならないからねぇ、などと事なかれ主義に陥っていっていませんか?自分だけは大丈夫、と過信していませんか?
とにかく、雷さんを何とかしてほしいものです。
先ほどの変態同僚のような人は別にして、雷さんから恩恵を受けている人などいるのでしょうか?
結局、今のところ、雷さんの気配を感じたら、窓際から離れ、建物の中心でおへそを隠してじっとしているしかありません。
私がところどころで「雷さん」とさん付けで呼ぶのは、人知の及ばない自然の脅威に対する「恐れ」というより「畏れ」のあらわれであり、日本人特有の自然に対する畏敬の念によるものです。
決して、ヤツらなどと見下した呼び方はしていませんし(したけど)、「こう言っておけば雷さんも私を狙わないでくれる」などという不届きな考えを抱いているからではありません。
いや、本当に。