さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

㉑今回はレンガのお話をします。その2

 みなさん、こんにちは。

 

 引き続きレンガのお話をしていきます。

 前回、レンガの説明と準備について簡単にお話しました。

 今回はレンガでBBQ炉と床テラスの制作についてお話します。

 

 モルタルを使う場合と使わない場合で施工内容は変わりますが、両者に共通して必要な作業が掘削・整地になります。掘削と言っても深く掘る必要はありません。高いところを削って低いところに合わせる程度で十分です。この時、水平器と角材を使ってできるだけ水平に整地しておくと後の作業が非常に楽になりますので、頑張りましょう。

 水平を出す作業は角材の上に水平器を載せて測ると良いでしょう。玄人芸として、凹凸がわずかであれば、その状態の角材で均してしまいます。

 ここまで出来たら次へ進みますが、掘った土は取っておいてください。後に使い道がありますので、あっちこっちにばら撒いたりせず、1か所にまとめておきましょう。

 

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 先にモルタルを使わない場合のお話をします。

 BBQ炉の場合、上から見たらコの字になるようにします。この時網も用意しておきましょう。この網の大きさによってBBQ炉の大きさを決めたほうが効率的です。あ、念のために網は四角いものにしてくださいね。この網がコの字に配置したレンガに左右と後ろが2㎝くらい載るようにできると最高です。高さは自由にされて結構ですが、言うまでもなく高くするほどレンガはたくさん必要になります。例えば1段に10ケ必要な場合高さを80㎝くらいにしようと思ったら13段になりますので130ケ必要になります。一番上に肉を焼く網を置くとして、そこから3~4段下にもう1枚の網を挟みましょう。この時、割りばしなど厚みが均等なものを網のところにスペーサーとして一緒に挟みます。コツはレンガの真ん中と外の端っこに2列置くことです。これによってレンガが安定します。できれば網と上のレンガは接触しないようにしましょう。網を抜き差しできるようにしておくと楽ですし、ここに炭を置きますのでつついたときに組んだレンガが崩壊してはいけませんので。炭を載せる網の代わりに薄い鉄板を置いても良いのですが、網を敷いてその上に一回り小さめの鉄板を置くのが効率的です。

 余った土をコの字の中や外側に埋め戻しておくと1番下のレンガが安定します。

 続いて、床テラスについてですが、出来るだけ水平に丁寧に掘ったとしても、小石などで若干の凹凸があると思います。レンガはこうした小さな凹凸も拾いますので、砂を敷きましょう。こういうのをクッション砂と言いますが、分厚く敷こうとすればたくさんいりますので3㎝前後としましょう。これなら1㎡あたり土嚢袋の砂5ケでいけるはずです。砂を撒いて、角材で均したらさっさとレンガを敷いていきます。高さがまちまちでもいいので、隣のレンガとの隙間を2㎜くらいで統一してできるだけレンガのならびを揃えて敷きましょう。全体に敷き終えたら、上にコンパネを載せて、じわっと踏んでいきます。あくまでじわっとです。ご主人さんの体重がひどく重い場合は奥様やお子様にその役目を譲りましょう。その後、気になる凹凸が残っている場合は角材を置いて軽くたたいたり踏んだりして揃えましょう。最後に敷いたレンガの上から砂を撒いて、ほうきでレンガとレンガの隙間に入れて終了です。

 モルタルなしのBBQはとても現実的で良いと思いますが、床テラスのほうはセメントを使ったほうが良いですよね。時間がたつと凸凹になるでしょうし、必要な時に敷くって言ってもねぇ。

 

 次にセメントを使う場合ですが、先に敷くほうのお話をします。と言いますのも進め方がセメントを使わない場合とほとんど同じだからです。違うところだけ言いますね。まず、レンガの下に敷く砂の代わりにドライモルタルと砂を1:1で混ぜたものを厚み5㎝くらいで撒いて均します。この時水は使いません。この時完全に水平にせずに水上と水下を意識して傾斜を付けるのがコツです。建物にくっついた状態なら建物側を高く、離れ小島ならば真ん中を高くするようにしましょう。傾斜は1m進むごとに1~2㎝下がるようにします。水平器の中の空気の球が、メモリにかかるようにすると良いでしょう。あと、コンパネを載せてじわっと踏むところまでは同じです。この後、砂を撒かずに水を撒きましょう。それでその日の作業は終了です。間違っても水を撒いた直後にレンガを踏まないようにしましょう。踊るのもダメです。水を吸って柔らかくなっているのでへこんじゃいます。2日くらい放置しておくと、セメントが固まりますので、乾いている状態でドライモルタルと砂を混ぜたものを撒きます。ほうきで掃いてから優しく水を撒きます。このモルタルが固まったらレンガは動かなくなるので、また乾いたときに砂を詰めてください。一旦固まってしまうと長い期間安定しますが、ところどころグラグラすることがあります。その時はそのレンガを外して、ドライモルタルと水をちょっとだけ混ぜて、それを敷いてからレンガを置きなおしてください。

 ちなみにドライモルタルと砂を混ぜる作業はコンパネの上でやると楽ですよ。バケツなんかでやっていたら、いつまでたっても終わらないので「なぜこんなことをしているのか?」なんて余計なことを考え始めてしまいますから。

 

 それでは、レンガ積みのお話をします。これはちょっと大変です。

 奇麗に積みたい場合は、レンガの段数を数えておき、段数×1ケほど半分にカットしたレンガをあらかじめ買っておくと良いでしょう。用意できない場合はタガネでカットするか、カットせずにはみ出した状態で積んでいくのもいいかもしれません。それと、中段のための鉄の棒を用意する必要がありますが、最近直火によるアウトドアクッキングも流行っていますので、ここではそれ無しでいきましょう。

 ということで、まずは基礎を作ります。

 基礎を作るにあたって、レンガを1段敷きならべてみましょう。

 大体決まったら、しるしをして一旦レンガをとっておきます。

 ドライモルタルをコンパネの上に広げてドーナツ状にします。その中に水を入れて練っていきましょう。ゴム手袋をしているのなら手で混ぜても構いません。煉ったらあらかじめ決めておいた位置に幅15㎝高さ8㎝くらいで敷きならしていきます。角材と水平器を使ってできるだけ平らに均してください。

 コの字に基礎ができたら、いったん休憩です。

 基礎が固まったら、レンガを積みますが、今度はモルタルをバケツで少しずつ練るようにしましょう。一度にたくさん練ってしまうと、硬くなってしまいます。煉ったモルタルはレンガの両肩に沿って2列の棒状に敷きましょう。レンガに全面にモルタルを付けるとレンガの座りが悪くなってしまいますし、モルタルがたくさん必要になります。どうしても全体に塗りたい場合は真ん中だけ窪ませておきましょう。レンガをきれいに並べるコツは一辺のレンガをとりあえず全部置いて、角材と水平器で全体を揃えながら整えていくことです。職人さんは1ケずつ調整して積んでいきますが、慣れない方には無理です。ちなみに私もできません。一辺のモルタルを敷いてその辺のレンガは一気に並べ(と言っても3ケか4ケでしょうけど)角材で調整、これを繰り返していきます。レンガは互い違いに積んでいきますので(これがウマ目地)、2段目以降は先に申しました半分のレンガが必要になってきます。おそらく両壁の先端部分に必要になります。奥の角2か所についてはできるだけ半分を使わないようにします。例えば左右の壁がレンガ3ケずつで奥の壁も3ケの場合、上の段は左右の壁が2.5ケに対して奥の壁は4ケになるようにします。わかりますか?すみません絵を挿入できると良かったのですが。

 レンガをうまく置けるようになったら目地の処理がありますね。まず横目地はレンガを置いたときにはみだすことがあります。それはすぐにレンガの面に沿って取っておきます。5分くらい放置しておくと、レンガがモルタルの水分を吸ってポロポロになります。そうしたら割りばしなどで5㎜程度掘ってみましょう。このレンガに対する目地の窪みを「チリをとる」とか「チリをみる」と呼んでいますが、このチリのおかげでレンガが立体的に見えてきます。興味がない、あるいはタイルのような目地が好きという方はそのままで行きましょう。その後塗装用の刷毛を水で湿らせて余分なモルタルの汚れを掃除します。コツとしては刷毛の先で押すようにするとうまくいきます。間違っても塗料を塗るように動かさないでください。汚れが広がってしまいます。

 縦の目地は横の目地を5分程度放置するタイミングで入れましょう。この時ひと工夫してみます。両側の壁については外側にのみ目地を入れて内側の縦目地は入れないようにします。そうすると、後々その目地に鉄の棒(鉄筋がいいです)を差し込むことで、中段を作ることができます。その位置はどのようにお使いになるのかで判断してみてください。いっそのこと、内側の縦目地は無し、っていうのもありかもしれません。

 一番上の段は見た目の問題でそういうわけにはいきませんので、内外両方入れてください。

 ドライモルタルが余るようでしたら、レンガを積み終わったところで、BBQ炉の底盤を作っても良いかもしれません。つまりコの字の中にモルタルを打ってしまうわけです。こうしておくと、レンガが安定しますし、表面をある程度つるつるにしておけば掃除も楽になります。まぁ、焦げますけどね。

 

 こんなやり方で、レンガの作業はできますが、肝心なことをお話していませんでした。

 とりあえず、何をするにしても設計図(計画図)は書いておきましょう。

 フリーハンドで十分です。レンガの個数の確認や、積み方・、敷き方をイメージするために必要ですので。

 

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 お気づきかもしれませんが、このレンガのお話の中に電気工具は出てきません。職人さんが施工する場合は、水平を出したりするのにレーザー墨だし器を使います。レンガをカットするときにはグラインダーにダイヤモンドカッターと付けてカットします。大量にモルタルを作る場合はミキサーを使います。

 世の男性諸氏であれば、レーザーの妖しげな赤い光に魅せられてしまうこともあるでしょう。私もそうです。

 でも、そういうものを使わないでいろいろなものを作るところがDIYの良いところですもんね。

 

 この秋、ぜひ頑張って作ってみて下さい。

 そしたら、この冬には…あ、冬になりますね。

 冬。…鍋、そう鍋がおいしいです。この冬のおいしい鍋のために頑張りましょう。