さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

⑥うちは土鍋でお米を炊いている

 みなさん、こんにちは。

 

 数年前にお客さんから「うちは土鍋でお米を炊いている」とお聞きしたことを今年の初め頃思い出しました。ちょうど使っていた電気炊飯器の釜の表面が剥がれてきたので、試しにやってみようと早速アマゾンチェック。結構たくさんありました。さらにユーチューブで実際されているのも拝見。結構されている人が多いようで、いてもたってもいられなくなり、近所のホームセンターへ。売っていました、炊飯専用土鍋。しかも1,200円が800円に値引きされていました。3種類くらいあったのには聊か驚きましたが、この一番安いのを迷わず購入。別に値段で選んだわけではありませんよ。いや、本当に。色、形などほかの土鍋は好みではなかったので。いや、本当に。

 この炊飯専用土鍋は3合まで炊けるタイプで、蓋を二重にするタイプです。

 色はちょっと茶色を感じるけど黒(?)です。

 安いので当然のようにガス専用。外部の底付近は素焼きの状態です。

 説明書を読んで、その指示通りに2合炊いてみました。

 米を研ぎ、水に約1時間浸しておきます。土鍋に米を移したら360㏄の水を入れて炊飯開始。中火で沸騰したら極弱火にして約10分。その後火を止めて15分そのまま蒸らします。その後蓋を開けて底に着いた米をはがすようにまぜて、さらに蓋をして5分くらい放置。完成です。

 一口目の感想としては「あれっ、匂いが違う」でした。本当は変な匂いがしない、が正しいのでしょう。味もいつもと違う、というか米ってこんな味だったっけ?

 これらをまとめると、とても良い匂いでとても美味しい、となります。

 前出のお客さんからとっても美味しいよ、と聞いていましたが本当にその通りでした。

 でも、どうしてこんなに匂いや味が電気炊飯器で炊いたものと違うのでしょう?

 いろいろ考えましたが、電気炊飯器の蓋にゴムのパッキンが付いていますが、そのせいかなぁ?くらいしか思いつきません。まぁ別にいいんですけど。

 これまで書いていて思ったのですが、「土鍋で炊くと美味しい」というよりは、「土鍋で炊くと余計な匂いや味が付かない」ということですね。うん、これが正しい。

 少し塩やお酒を足して炊くと、おかずなしでも良いくらい風味が増します。

 

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 正直言って私は電気炊飯器以外の道具で米を炊いた経験がありませんでした。

 あっ、ハンゴウを使ったことはありますが、あれって焚火だったし、日常的ではないし、それによく覚えていませんし。

 ですから、これまで電気炊飯器で炊いた米を何の疑問も抱かずに食べていたわけです。

 別にそれはそれでよいと思いますが、いつの間にか米は電気炊飯器で炊くものだ!と思い込んでいた節があります。なので、お客さんから土鍋で米を炊くお話を聞いても、その時は今一つピンときませんでした。

 さらに米を炊くという作業は非常に高度な技術が必要なことだと勝手に決めつけていたようにも思われます。だから、電気炊飯器のような機械が普及しているのだとも。

 でも、実際土鍋で炊いてみると案外簡単で、炊く時間は蒸らしを入れても電気炊飯器より短いくらいです。クッキングタイマーさえあれば楽勝です。それに、土鍋は全部洗えるので、衛生的な気もしています。変な匂いや味が付かないのもそのためかと。

 ではなぜみなさん(以前の私も含めて)は電気炊飯器を使うのでしょうか?

 まず簡単な答えとして、楽だからとか便利だからとかついてなくて良いからでしょう。米を研いで専用の釜に入れ、目盛りに合わせて水を入れて、蓋をしてスイッチを押せば出来上がり。とってもお手軽です。タイマー機能を使えば、朝起きた時、夕方帰った時にちょうど炊き立てになっています。素晴らしく便利です。

 別の答えとして、知らないからとかできないからというのもあるでしょう。他ならぬ私がそうでしたから。これって結構まずいことなのでは?と最近思うようになりました。生活の中でこうしたことは実に多くありますね。料理においては電子レンジ、IHコンロ、他の家事について考えてみても洗濯や風呂焚き(死語?)もスイッチを押すとあとは完了を待つのみです。掃除はさすがにそう簡単にはいかないものの、ルンバのような自動掃除機(あれ、ちょっとかわいいですね)が出現しました。

 技術革新が進み、便利で豊かな世の中になることに私も賛成です。

 ただ、ここで申し上げたいのは、「出来ないからしない」とか「知らないからしない」という状態に陥ってはならない、ということです。言い換えると「いざとなったらできるけど、面倒くさいから、便利なこれ(例えば電気炊飯器)を使う」状態であるべきだということです。今、米と水と鍋と焚火の火しかなくても、何とか炊飯しておなかを満たすことができる能力を維持した状態で、便利な電気炊飯器を使うべきなのです。

 まぁ、偉そうなことを言っても、私だって今、電気とガスを絶たれてしまったら、途方に暮れるしかないでしょう。

 だからというわけではありませんが、野外で火をおこし煮炊きをしたりして、人が生きていくために最低限必要な知恵や技術に回帰する人が未だに多くいらっしゃるのはそのせいかもしれませんね。

 

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 ところで、私は米が好きです。一日一回は米を食べないとどうにかなってしまいます。今日、炭水化物は~とか、カロリーが~とか言ってあまり米を食べない風潮のようですが、戦前は一人一日あたり6合とか4合とか食べていたそうです。その代わりおかずは質素なものだったとか。宮沢賢治も言っていました。6合は確かにちょっと多いような気がしますが、4合ってある意味普通のような気がします。今の私は減らない体重について深い悩みを抱えていますので、そんなに食べませんが、ちょっと前まではそのぐらい平気で食べていました。丸美屋の鳥釜飯の素を使って3合の炊き込みご飯を作ると、「うまいなぁ」と言いながら全部食べちゃいます。その代わりおかずはありません。ひたすら炊き込みご飯を食べ続けます。至福のひと時です。食欲だけでなく征服欲まで満たされたような気がして、実に気分が良かったものです。

 今は朝1合、夜0.5合くらいですね。

 この朝の1合を0.5合にしてみたところ、白髪が増えなぜか胃が痛くなり、たばこも増えるしコーヒーも増えるという状態になってしまったので朝1合に戻しました。これ以上米を減らすと、私自身の自我が保てなくなるようです。

 その代わり、夜のあんパンをやめることにしました。

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 これで勘弁してください。