さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

69 私の唇がバリッバリッになる季節

 みなさん、こんにちは。

 

 いよいよこの季節が来ました。

 私の唇がバリッバリッになる季節が。

 普通のリップクリームでは効果がなくって、前のシーズンからメディカルリップなる塗り薬を使用しなければならないくらいひどくなります。今シーズンは昨日あたりから、唇が強張るような感覚があり、今日はパカッと裂けちゃいました。

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 ちょっと早すぎるんですけど。

 現在コロナ禍にありますので、外出時にはマスクを合法的(?)につけることができますから、幾分緩和されますが、室内や車内でマスクをつけるのはどうも息苦しくっていけません。

 言葉にすれば、「唇のひび割れ」という実に軽い症状のような病名(?)ですが、これが来年の4月くらいまで続くと思うと、悲しみを突き抜けて放心状態になっちゃいます。なにしろ、しゃべる時も、食べる時も、飲む時も、歌う時(?)も常に不愉快な軽めの痛みがあります。何かの拍子に深く裂けてしまうと強い痛みと共に出血の惨事になっちゃいます。さらに自分ではそのことに気づかず、周りの人の妙な感じからそれがわかった時は本当にいたたまれなくなり、別の地に瞬間移動したくなります。

 私、かなり水分取りますし、オイリー肌なんですけど、どうして唇だけ渇きやすいんでしょう?3年位前から症状が出始めて、前シーズンは本当に苦痛でした。

 でも、わかってもらえない…。メンソレータムのリップクリームを塗っていると気持ち悪いって言われるし…。たぶん、そうなっていない人にしてみれば、たいしたことではないっていう認識なんでしょう。こういうことって結構ありますよね。

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 例えば風邪をひき熱がある時のように、全身に症状が出る場合は誰でも理解できるのか、ほぼ例外なく優しく親切に接してくれます。でも、足の爪を深爪してしまって、恐る恐る歩いていたら、「何やってんだ、お前」って感じです。「いやぁ、深爪しちゃって」って言っても、「あっそう」で終わり。もっと極端な例を挙げれば足の小指を扉の角に打ち付けたときなんて、ちらっとこっちを見てから、プイってよそを向いちゃいます。こっちはあまりの痛さに声も出ないと言うのに…。

 他人の痛みや苦痛というのは、どうしても自分の経験を根拠にして想像するしかありませんので、未経験の痛みや苦痛に苦しんでいる人に対してなかなか適切な対応ができません。そりゃそうですよね。実感がわかないんですから。

 以前お話した嘘をつくコツの上司ですが、この方は年中尿管結石に悩まされていました。とにかく痛いそうです。痛みで目が覚めるなんて言うレベルではなく、ひどくなると体を丸めた状態で動けなくなるそうです。ですから、服用する鎮痛剤も段々きついものになり、処方してくれるお医者さんを探しているような状態でした。鎮痛剤の副作用と言いますか、肝臓の数値がメチャクチャだったからです。

 しかし、年はとっても頑固な柔道家でもありましたから、仕事中はとにかく我慢していたようです。我慢されていると、隣の席に座っていた私も「あ、今日は調子が良いみたいだな」なんてのんきにみていました。ところが本人はそれどころではなかったようで、ある日ついに我慢の限界に達したのでしょう。いきなり私を椅子ごと蹴り倒してきました。なかなか激しいスキンシップです。蹴り倒された私は痛みよりびっくりのほうが強く、起き上がって上司を見るとお腹を抱えて唸っていました。「えっ、なっ、え、え」となっている私に上司が「ワシもこんだけ痛いの我慢しとるんじゃから、お前も少しは痛い思いをせい!」だそうです。その後、あまりにも痛がるので、上司と同年代の現場監督が病院に連れて行き、そのまま入院しちゃいました。

 いやぁ、本当にわからなかった。直前までくだらないことを言って笑っていましたから。でも、本当は朝から痛かったそうで、薬を飲んでいても痛かったそうです。私を蹴る少し前あたりから薬が完全に切れたみたいに激しく痛みだし、…私を蹴ったそうです。お見舞いに行ったときに笑いながら言っていました。そういえばお詫びと言って他の人が持ってきてたメロンを1ケもらいましたっけ。

 まぁ、我慢強い人にも困ったものですが、案外こういう人って多いですよね。

 本人は懸命に我慢しているんでしょうけど、人を蹴り倒すくらいなら、さっさと病院に行ってほしかったです。

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 でも、私もその日に限って「今日は痛くないんですか?」って聞かなかったんですよね。いや、本当に痛そうじゃなかったので。ただ、あの時聞いていたら、「実はちょっと痛い」とか答えていたかもしれませんし、「ちょっと病院に行ってくるか」となったかもしれません。そうすれば、私も蹴られることはなかったし、大騒ぎをして病院に向かうこともなかったのかもしれません。

 あのう、別に知らない人に片っ端から声をかけるべきだと言っているのではありませんよ。隣で一緒に仕事をしている上司ですから、そうするべきだったかな、なのです。

 まぁ、声をかけるとかえって意固地になる人もいますし、大丈夫大丈夫ってさらに我慢する人もいますからねぇ。偽善と取られても嫌ですし、難しいですよね。

 でも、痛みや苦痛はその人にしかわからないので、やっぱり聞くしかないんでしょう。

 それは病気やケガだけでなく、悩みや抱えている問題であってもです。

 わからないことは聞かなければわかりませんし、察しているつもりでも、勘違いや見当がはずれていては意味がありません。また、聞かれる側も身の回りにそういうことを聞いてくれる人がいたら、素直に甘えるのも大切なコミュニケーションだと思います。少なくとも椅子ごと蹴り倒すよりはずっと洗練されていますよね。

 しかし、私の唇の苦痛は誰も気にしてくれませんね。マスクをしているからかもしれないし、私の方がいつも「唇が~!」って言っているからかもしれません。もう少し言わないようにした方が、周りの人も気にしてくれるのかな?とも思うんですけどね。

 あごの下の肉を隠すのと、血まみれの唇を隠すために、コロナに関係なく来春までマスクをしておくようにしようと思います。