さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

426 上級国民・・・ですかねぇ?

 みなさん、こんにちは。

 

 池袋の暴走事件の判決が出ましたね。

 飯塚被告に禁錮5年だそうです。

・・・、禁錮wiki選手によると懲役刑のように作業義務がないのが禁錮だそうですね。いやぁ、勉強になります。

 で、この飯塚被告への判決について、当然軽い!とか、どうせ控訴・上告をして時間を稼ぐ気だろう!みたいな空気がありますよね。私もそう思ってます。

 しかし、この禁錮5年をより重くすることも難しいでしょうし、控訴・上告を防ぐことは個人の権利なのでできません。

 でも、私を含めて多くの方が怒りを感じているのは、裁判中の被告の主張でしょうね。

 自分は悪くない、車が正常に機能していなかったから起きた事故だ!って言ってましたからね。

ふざけんなよ!って思いますよね。

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 この人は事件(私は事故ではなく事件って書きます)直後、逮捕・拘束されなかったことから「上級国民」などと揶揄されてました。まぁ、特別に良い扱いを受けている特権階級の人間みたいな意味だと思います。同じ時期に、同じような事故を起こした高齢の人が簡単に逮捕されてましたから、なおさらそう思いますよね。

 ただ、裁判が進むにつれて、この「上級国民」なる名称がなにか、こう、しっくりこなくなっちゃいました。

 「上級国民」ってなんか、貴族的な感じがしませんか?

 この飯塚被告の経歴をwiki選手で見ると、科学者であり、技術系の官僚であり、企業の上層部に籍を持ち、多くの協会・団体の指導的地位にあった人のようです。言ってみればエリートって言うんでしょうか。一生懸命頑張ってきたんでしょうね。

 ちなみにwiki選手の飯塚氏の記事には池袋暴走事件の記載はありません。

 あ、瑞宝重光章っていう勲章をもらってますね。

 こうしたことと、事件後の扱いから特別なはからいを受けている人=上級国民=庶民とは違う人みたいに見えたんでしょう。はい。私にも見えました!

 でも、なんかちょっと違うんですよねぇ…。

 この人と重なって見えるのは、第二次世界大戦で日本を敗戦に導いておきながら、たくみに自分はその責任から逃れ、戦後も何食わぬ顔で豊かな生活を謳歌していた人々なんですよねぇ。要するに卑怯者です。

 さっきも書きましたが、「上級国民」って聞くと、どうしても貴族的な感じがしますし、日本の貴族ではなく、それこそ欧州の貴族のようなものを想像しちゃいます。

 平時彼らは自らの軍事力や経済力により、庶民を抑圧し、搾取します。しかし戦時には自ら先頭を切って敵に突っ込んでいきます。自分が危険なところに身を置くことで、自己の正当性を被支配者たちに誇示し、支持されるんですね。

 高貴な者は自ら血を流すことを厭うてはならぬ!ってヤツですね。

 日本だって戦国武将の多くがそんなふうでしたよ。あの毛利元就だって、若い頃は自軍の先頭を切って敵に突撃してましたからね。

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 そうしたことを矜持っていうのかもしれません。

 ちょっと前に、同じように高齢者が事故を起こし被害者の命を奪ったことがありまして、その裁判で被告の高齢者は重い刑を科すよう裁判所に求めていました。残りの人生を贖罪に費やしたいとの趣旨だったと思います。その真意はわかりませんが、言葉通りだとすれば、こっちの方が「上級国民」のような気がするんですよね。

 高齢であるにもかかわらず車を運転すること自体問題ですので、決して褒められることではありません。被害者もいるわけですから。しかし、起こしてしまったことに対して、保身など考えずに向き合う姿勢は先ほどの矜持に似たものを感じるのですよ。

 ですから、この真逆を爆走中の飯塚被告は「上級国民」などではなく、ただの卑怯者に思えちゃうんです。

 本人の意思なのか、周りの人の指示なのか知りませんが、これまでの人生の幕引きを間違えると、なんだか無残なものになっちゃいますね。