さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

768 エパメイノンダスと神聖隊

 みなさん、こんにちは。

 

 コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵略、安倍元首相の暗殺、台湾海峡の緊張とここ数年の間というか、今年に入ってからいろんなことが起きた中で、LGBTなどの声はしばらく小さくなっていたような気がしますが、このところ様々な事態にも慣れてきたのか、再びメディアを通じてその声が高まりだしたような気がします。

 とりわけロシアのウクライナ侵略は、LGBTだけでなく人種差別反対だとか、環境問題の解決という話を完全に吹き飛ばしてしまい、議論はもっぱら安全保障の方に行っちゃいましたからね。

 結局、戦争が始まったら、全部ひっくり返されちゃうような話、平和でなければ進められない話なんだろうなぁって改めて思います。

 私はLGBTなどに特別反対ではないんですが、メディアや一部の方の主張、さらに法や制度まで変えようとしてることについては否定的な考えを持っています。

 例えば同性愛者の方々に対して、特別文句を言うつもりもないし、毛嫌いしたり差別的な考えを持つことはありません。

 ただ、それは、それこそが正しいみたいな言い方をされて、認めろ!認めろ!って言われちゃうと、何となく・・・、嫌だね!ってなっちゃいます。

 そして、そうした人々(あ、同性愛者の方々)に嫌悪感を持つ人も未だにいるわけで、そう思っているだけなのに、それを間違いだ~!ってことさら責めるのはいささか乱暴だと思っています。

 もちろん、嫌悪感から侮辱的な言葉を発したり、差別的な扱いをするのはダメだとは思ってますけどね。

 メディアがまるでそれが世界の常識だ!みたいに言ってることは、ロシアのウクライナ侵略に対する各国の対応を見ていれば誇張されたものだってわかりますよね。

 まるで乗り遅れちゃダメよ~!的な報道に踊らされるのはまっぴらごめんです。

 というわけで(?)、今日取り上げる歴史上の人物は古代ギリシャのエパメイノンダスです。

 ・・・、誰それ?って言われちゃうかもしれませんね。

 ギリシャの都市でテーバイっていうのがあったんですが、そこの将軍・政治家です。

 何をした人なのかって言うと、当時ギリシャ世界で最強の名をほしいままにしていたスパルタ軍をレウクトラの戦いで破った人です。

 そしてその後、テーバイはギリシャの覇権を握ります。

 で、その後、このエパメイノンダスが戦死したことで、テーバイは覇権国家から転落し、その後北方のマケドニアによってギリシャ世界は取り込まれてしまいます。

 もう少し詳しくお話しますと、紀元前420年ごろ、テーバイの貧乏貴族のことして生まれたエパメイノンダスは、軍に参加し将軍にまで出世します。

 40歳を迎える前にスパルタに併合された母国テーバイを武力蜂起によって独立させたりしちゃったりしてますから、このころにはテーバイの指導的立場にいたんでしょう。

 そして紀元前371年。

 世に名高い(?)レウクトラの戦いが勃発します。

 スパルタを主力としたペロポネソス同盟軍11,000との戦いです。

 自軍は6,600くらいの兵力だったので、エパメイノンダスは斜線陣という陣形で敵に挑みます。

 この斜線陣っていうのは、自軍の左翼の部隊の兵数を多くして布陣し、その左翼の部隊から敵に突撃します。

 少し遅れてと右隣の部隊が突撃、これを続けていくと、最初に突撃を始めた左翼の部隊が一番前に出ていて右に行くにしたがってそれぞれの部隊はまだ後方にいる状態になります。

 上から見ると、敵の陣に対して斜めに襲い掛かってるように見えますね。

 数で劣るテーバイ軍としては、敵の陣の端っこを殲滅してそこから覆いかぶさるように包囲することを企図した戦術です。

 で、この斜線陣ですが、各部隊への突撃命令のタイミングが難しいので、誰でも行えるものではないそうです。

 さらに、最初に突撃を始めた左翼の部隊がしくじっちゃうと、その戦い自体が無残な敗北に終わっちゃいますから、左翼の部隊の責任はとっても重いですよね。

 エパメイノンダスはそこにテーバイの最精鋭と名高い神聖隊を投入します。

 それも左翼の部隊の先頭です。

 いかにこの神聖隊に強い信頼を寄せていたのかがよくわかります。

 そしてこの神聖隊ですが、・・・同性愛者の部隊です・・・。

 150組(ペア?)300人で構成された神聖隊員は国費で養われていたため、平時は訓練に明け暮れていたそうです。

 ・・・、まぁ、訓練だけだったのかはよくわかりませんが・・・。

 ただ、そういう意味では、生まれた時から先頭の訓練だけやってきたスパルタの戦士にもある程度戦える肉体や技能を持っていたんでしょう。

 決してお姉系の人たちなどではなく、見た目はいかつい戦士であり、ただ、同性が好きっていうだけだったんですね。

 そして、何より彼らを支えていたものは、愛する人と共に戦えることや、愛する人を守るため、もし愛する人が倒れたら命を捨ててその仇を打つとかいうことからわかるように、その異常な士気の高さだったんですよね~!

 まぁ、理屈としてはわかるけど、人たちを戦争に参加させるなんて、まったくよくやるよなぁって思いそうなものですが、古代ギリシャでは同性愛はそれほど珍しくなかったそうです。

 とりわけこのテーバイっていう都市国家は盛んにおこなわれていたようですし、プラトンなどの哲学者たちも少年愛(???)などで有名です。

 アレクサンダー大王の同性愛はもっと有名です。

 ローマの皇帝たちもやはり少年愛(????)を公然と行ってましたね。

 つまりこの時代、というよりもキリスト教が広まる前の世界は、それ以降の世界のように同性愛者は迫害される対象ではなかったってことですね。

 イスラム教もより原理主義に近い宗派は未だに同性愛を罪とみなしていますね。

 同性愛についての認識は、歴史の中で認められたり禁止されたりしてきました。

 何となくそれを罪とみなし大勢を処刑してきたキリスト教徒が多い欧米の人が、今になって同性愛者の権利を主張するのはしっくりしませんよね。

 まぁ、いいんですが・・・。

 話を戻しますと、この神聖隊の活躍もあって、スパルタ軍の右翼(こっちから見たら左翼)を突き崩したテーバイ軍は企図したとおりに戦いを進めて勝利を収めます。

 当時最強と言われていたスパルタ軍に快勝したわけですから、周辺の都市国家もビックリ仰天ですね。

 その後、エパメイノンダスはテーバイと同盟軍を率いて転戦していきますが、紀元前362年のマンティネイアの戦いで戦死します。

 戦い自体はテーバイ軍の勝利に終わりますが、エパメイノンダスだけでなく、テーバイの優れた指揮官のことごとくが戦死しちゃったため、その後はじり貧になっちゃったんですね。

 胸を槍で貫かれ、もう助かることはないと覚悟したエパメイノンダスは、さらにテーバイの将軍たちも戦死したことを知ると、スパルタと講和するよう言い残したそうです。

 死の間際まで冷徹な戦略家・戦術家であり続けたエパメイノンダスは、後のスキピオハンニバルと比べてもそう引けを取ることはないと思うんですよ。

 ただ、やっぱり神聖隊はちょっとむごいんじゃないの?って思っちゃいます。

 たとえ、当時はそれが彼らにとって最高の愛を示す舞台であったとしても・・・。

 いや、だって、ねぇ・・・。

 こういう心のさざ波を感じることも歴史の楽しさであり醍醐味だと思うんですが、何となく、今日は後味が悪いんですよね。

 

 

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