みなさん、こんにちは。
昔、ミートホープっていう会社が食品偽装をやってたってニュースがありましたよね。
あの時はびっくりしましたが、その後、中国の食肉加工工場の衛生面での問題が出たりしたので、まぁ、途上国も多いアジア圏でこういう食品偽装は多いのかもしれない!なんて勝手に思ってました。モラルが低いのが問題って頭の中で変換しちゃってたんでしょうね。
ところが、先日NHKのBS世界のドキュメンタリーでフランスで制作された「食品偽装大陸ヨーロッパ」っていう番組を見て、あ、むしろあっちの方が本場?って思っちゃいましたよ。
詳しくはアーカイブなどでご覧いただいたり、ネットでご確認いただけるといいんですが、はっきり言ってメチャクチャです。
この番組で扱われたのは肉、オリーブオイル、魚です。
肉には別の動物の肉や、内臓とか別の部位のものとか、ちょっと傷んだ肉とか色々混ぜてましたね。足りないタンパク質は植物性でって、ウソみたいな話です。
オイルは基準を満たしていなかったり、別のものをオリーブオイルと言ってみたり、魚は水で重くしたり、傷んで黒ずんだマグロの切り身には硝酸塩で赤くしちゃうとか・・・、ありえない話ばっかりです。
で、この番組で感じたのは規制が全く効果を上げていないってことと、安いからみんな買っちゃうってことですね。
食品偽装に対する姿勢で対照的だったのはポーランドとイタリアです。
ポーランドはどうやら見てみぬふりを決め込もうとしてるように感じました。政府にもお金が渡ってるのか、それとも国の大きな産業(?)なので、波風を立てたくないのか知りませんが、極めて対策に消極的なんですね。
対してイタリアは、同国の看板でもある「食」の問題ですから、当局はピリピリしてるみたいですが、何しろ規制が緩い上に罰則が軽いので、結局取り締まる→別の手でまたやるの繰り返し。おまけにマフィアまで参入してるもんだから、命がけになっちゃいますね。
では、どうして法律を厳しくして、取り締まりやすくしないんだろうって思うんですが、そこは番組ではあまり触れなかったように思います。
でも、何となくわかるような気がします。
お金、でしょ。
この食品偽装の問題ほど、経済的なメリットの前ではモラルなんていうのもがいかに脆弱ではかないものなのかを知らしめてくれるものはないような気がします。
はっきり言って、腐った肉まで混ぜ込んでますからね。
体を壊す人も出てくるでしょうし、おかしな薬品を添加してますので、長年摂り続けることで体を壊しちゃうかもしれません。でも、自社や自国の利益の前では些細なことになってしまう。
うん?それに、そもそもみんなを騙してますよね、これ!
でも、そんなことはお構いなしなのです。
それを咎めると、「自分たちの生活がかかってるんだ!」とでも言うのかもしれません。盗人猛々しいとはこの事ですが、何となく、こういうのを悪と受け止める風潮は弱まってるような気がするんですよ。あ、勿論私の印象ですけどね。
それに、消費者も安いってことで買っちゃいますからね。
これは怪しいぞ!ってことで誰も見向きもしなければこんな商売は成り立ちません。
昨日でしたか、世界の富の40%を世界の人口の1%の人が持ってるそうで、残り60%の富を99%の人が分け合ってるようなニュースを聞きました。
貧富の差はより深刻になったってニュースでは言ってましたね。
うん、そりゃそうでしょう。
だって、グローバリズムやら最近のリベラル思想に基づく政策なんていうのは、こうなるためにあるような気がしますからね。
そして、その富を得られない貧しい者に対して、まがい物の食糧でさらに搾取しようとしてるような気がしますね。
先進国だから、EUだからと言っても、実際はこんなものなんでしょう。
日本も人のことは言えないかもしれませんが、RCEPなんか結んで大丈夫なんでしょうか?食品偽装大国である中国製の食品が今まで以上に入ってきますよ。しかも原産国表示なしに・・・。
ちなみに冒頭のミートホープでの件を内部告発した方は、いま、すごく後悔しているそうです。
その勇気は讃えられず、取引先からはこんなもの売ってやがったのか!と叱られるし、同業者からは裏切り者扱いされてしまい、住むところも変えざるを得なかったんだとか。
これもまた、食品偽装などがなくならない土壌なんでしょうね。