さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

375 敬語って護身術の一種?

 みなさん、こんにちは。

 

 敬語って難しいですよね。

 ただ使えばいいってもんじゃないところが何とも難しいと感じます。

 ましてや、それなりに知的なお仕事(学者さんとかね)に携わっている方がおかしな敬語を使うと、何この人!?って思っちゃいます。別に敬語学(?)の専門家でもないんですが、不思議なものです。

 先日NHKの番組中、専門家の先生が、各自治体のコロナ対策について「~県のようにすでにご準備なさっておいででらっしゃられるところでは~」みたいな複合技のような言い回しをしていたのにはびっくりしました。もちろんその先生のお人柄で、一生懸命丁寧に、相手に敬意を示していたんでしょうが、とりあえずその方の主張は何重にもオブラートに包まれているような気がして、チャンネルを変えちゃいました。

 知的な権威を売り物にしている方々にとって、たとえ専門ではないとしても言葉の選択や使い方を誤ると、その方の専門性に対しても疑念が生じてしまうのは何ともつらいところですよねぇ。ですから、むやみにTVになんか出ずに、論文を読んでくれ!って言えば良さそうなものなんですが、・・・やっぱり出たいのかな?

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 まぁ、それはそうと、ある本に敬語っていうのは言ってみれば護身術の一種みたいなもので、相手との適切な距離感を保つためにあるんだよ!なんてことが書いてありましたが、それはちょっとわかるような気がしますよね。

 初対面なのにやけに馴れ馴れしい、いわゆるタメ口で話しかけてくる人を失礼なヤツと思うことはよくあると思いますが、あの嫌悪感って、知らない人間がいきなり距離を詰めてきた時の拒絶反応みたいなものかもしれませんよね。

 逆に、会社の社長と話す機会があったとして、終始敬語を駆使してしまうのは、失礼のないように、あわよくば礼儀正しいという印象を持ってもらいたいっていう思いもあるのかもしれませんが、何となく「私とあなたとはほどほどの距離感でいたいんです。その方がこっちも落ち着くんです。あ、それ以上近づかないでください。決してあなたのことが好きなわけではないんですから」っていう深層心理のあらわれかも?って思っちゃいますよね。

 そういう関係っていっぱいありますよね。

 とりあえず敬語を使っとけば、やり過ごすことができますから、無用な争いを回避できるわけです。日本人らしいといえば、らしいですよね。

 ただ、この本を読んだことで、どんなに親しげに話しかけても敬語をくずさない人っていうのは、私との距離は縮めたくないんだなぁ…、って思うようになっちゃいました。これはこれで、ちょっと悲しくなっちゃうので、知らなければよかった…、とも思ってます。

 また、普段敬語を使い慣れていない人が、たどたどしい敬語を使うことで、相手からとても良い印象を持たれることもありますよね。きちんと敬語が使える人からしてみたら、理不尽この上ない話ですが、人間には感情がありますから、どうしようもありません。逆にペラペラと流暢な敬語を使えるほうが、かえって警戒されたりしてっていうこともあります。なんか、ヒドイ話ですよね。

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 しかし、この不完全性というか、相手や状況によって評価がコロコロ変わっちゃうっていうのが、言葉と感情が密接に関わっているってことなんでしょう。言い換えれば敬語は生き物みたいなものなのかもしれません。

 ・・・、なんか面倒くさいですね…。

 いずれにしても、敬語って使えるけど、その時に応じて使い分けるっていうのが最強だと思っています。

 ・・・、まぁ、それはそれで計算高いというか、・・・なんかズルいですけどね。