さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

288 「不登校の自由」っていうセリフ

 みなさん、こんにちは。

 

 地震が多いですね。

 今朝は中国地方のほぼど真ん中が震源でした。その後は~と思って確認したら、今日だけで日本では7回地震があったようです!9時半ごろの宮城県沖が震源地震がちょっとだけ大きく、それ以外は比較的小さいようですが、なんか嫌ですね。

 そして、こう頻繁に起きると、かえって危機感が薄れてしまいそうで、それも怖いことだと思っています。人は慣れちゃいますからね。

 さて、yahooニュース(まだみてます)で、不登校の小学生ユーチューバーが卒業したって話が出てました。卒業証書を破ってみたり、ランドセルを視聴者にプレゼントするとか言ってましたね。この子の今の状態について、有識者と言われる人々がいろいろ言ってるみたいです。まぁ、この子の話は以前からありました。で、こういう節目、節目になるとメディアも取り上げるんでしょうね。この事自体あまり良いことではないような気がしますが、私もこうしてこの子のことを書いているので人のことは言えませんね。・・・ごめんなさい…。

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 で、当然のことながら否定的なコメントが多いわけで、特にこの子の父親に対してはかなり辛辣な意見もあるようです。子供を使って金儲けしてるっていう主張ですね。これは言われても仕方がないような気がしますが、一方で子役のタレントさんも同様になってしまいますからね。そうではなくって、この子の場合は学校に行かない、不登校であることを売りにしていることと、子供を使って金儲けをしてるっていうことをごっちゃにして批判されているようです。

 ここで、整理しますね。

 単に子供がタレント的な活動をして親が収入を得ることと、不登校を肯定して子供がタレント業に精を出し親が収入を得ることは基本的に違いますよね。ですから、金儲けについてはここでは置きます。

 不登校の子供は年々増えていると聞きます。そして、その理由は個人的に違いがありますのでひとくくりにして考えるのはかなり乱暴ですね。この子の場合は宿題がしたくないとか、先生とうまくいかないとか、最後は大人の言うことを聞いているとロボットになっちゃうから、みたいなことを言ってるようです。まぁ、どうでもいいです。

 あえて良くないと言うのなら、この子を見て「学校に行かなくてもいいんだ!」って思う子や親が増えてしまうことですね。幸いこの子の場合は、ユーチューバーとして家計を支えることができていますが、誰にでもできることではありませんし、将来の保証なんかありませんからね。

 まぁ、批判的な方々がおっしゃってることが私も常識的で正しいと思っていますので、その意見がある以上、この親子についてあまりお話することはないんです。でも、それでは何のためにこのブログを書いてるのかわからなくなっちゃうので、この子のセリフから一つ気になるものを取り上げてみます。

 それは「不登校の自由」っていうセリフです。

 またまた出ました「自由」です。

 どうもこういう方々の使う自由っていうのは本来の自由ではなく、都合の良い自由に思えてならないんですよね。彼は「子供は学校に行く権利はあるけど義務はない」とも言っています。これは正論です。教育を受ける義務はありません。権利って言うのも厳密に言えばないと思っていますけど…。彼の親には、自分の子に教育を受けさせる義務はありますよ。ですから、彼が学校に行かない自由を、その権利を行使するって言うのであれば同時に彼の親は彼に教育を受けさせる義務を果たしていないっていうことになりますね。これ、どう思います。子供の方は学校に行きたくない(ってたぶん思ってるんでしょうけど)から、行かないっていう権利(?)を行使する。その親はそれを尊重して教育を受けさせる義務を放棄する。

 ここまでは、まぁ、いいです(良くないけど)。で、この子はその権利って言うのをどうやって獲得したんでしょうか?あ、いや、だから、権利って義務と相反するって言うか、セットでしょ。で、この子の親は義務を果たさない以上、何らかの権利を放棄しなければなりませんが、何を放棄したんでしょうか?

 ねっ、おかしいでしょ。

 実際のところ、子供の権利っていうのは、基本的に義務に伴うものではないことはわかっています。彼らは責任をとれませんし、その分選挙権、要するに政治に関与する権利もありません。要するに社会から一人前に扱われないんですね。別にこの子に限ったことではなく、子供全般そうなります。理由は幼いから。成熟していないから。それだけです。つまり彼らは法律上(社会的にって言うのが薄れてきたので)保護されているわけです。保護されている人間が一方的な自由を認めてもらえるわけないじゃないですか。このあたりが都合の良い自由っていうところで、「僕を保護してね!困った時は助けてね!でも、僕は好き勝手にやりたいことやるからね!」って言ってるようなものですから、このバカタレ!とゲンコツされて当たり前なのです。

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 そしてこの親も勤労・納税・教育を受けさせる義務のうち、教育を受けさせる義務は放棄し、勤労についてもちょっと怪しいでしょ。だから話にならないのです。

 念のために一言。学校に行けるのにただ行きたくないから行かないって言う子は別として、何らかの理由で学校に行けない子や、行かせたいけどどうしても子供が学校に行けないって言う親は何も悪くないと思いますよ。少なくとも、法的には。

 法的、法律的っていうと頭でっかちでカッチカチみたいな印象をお持ちになるのかもしれませんが、そうではなくってルールだとお考え下さい。

 ですから、本来保護されている子供が自由な権利を行使するっていうことは、その保護から外れるってことですからね。よく途上国のストリートチルドレンやモンゴルのマンホールチルドレンのように、その生死に対して、国も社会も責任を負わないところでしかできない(?)ことなんですね。

 この事を理解せず、保護は求めるけど義務なんか知らない!自分は好き勝手に生きる!なんて言うことはありえないんですが、まぁ、日本は国も社会も優しいですからね。まぁ、いいんじゃないのって感じで放置してますね。でも、こういう人が一定の割合を超えてきたらどうなります。これは大げさなことを言ってるんじゃなくって、実際に今のアメリカを見ればわかりますよね。

 暴動・略奪・無秩序・腐敗等々自由だなんだかんだと言ってる連中のやってることって、ただの破壊でしかありませんからね。もちろん本人たちにそんなつもりはなく、崇高な理念に基づいて行動なさってるんですが、はっきり言って迷惑なだけです。

 もちろん、日本がすぐにそんな状況になるとは思えませんが、最近、自分勝手なお騒がせ人間がいますよね。あれって、こうした傾向の表れだと思っています。そして、多様化などと変な価値観が浸透してきているためか、そもそも他人に関心がないのか、面倒なことを嫌うのかわかりませんが、そういう人間を放置、というか黙認する傾向が出てきてますよね。この事に危機感を持ったほうがいいと思っています。

 自由なんて言うものは、その社会や国に帰属している時点で制限されるものであり、その代わり生命・財産を保護されます。義務を果たすことで権利を行使し、他人の自由を侵害しない範囲での自由は認めれます。ですから、この子が成人し、働きたくないから働かないって言う自由は認められるかもしれませんが、労働の意思がない以上生活保護なんか受けられません。そういうものです。

 この親子の主張する自由を肯定している人々の話ってこのあたりのことには一切触れず、聊か無責任な話に聞こえます。そして、先のことをきちんと考えていないきれいごとは得てして社会を壊してしまいます。

 学校に問題があるのであれば、徹底的にそこに手を加えればいいじゃないですか。

 そうせずに安易にこのような風潮を容認し続けるのは間違いだと思います。

 このブログでは、よく虐待される子供の話をしますが、こういうおかしな自由の容認もまた、その子の将来を壊すことになりそうな気がします。何より、今の行動を自由だ!権利だ!みたいな認識でいることを咎められないというのは問題ですよね。

 面白がってもてはやすのもほどほどにしておかないと、おかしな価値観を一般化することになっちゃいます。そうなって困るのは圧倒的に若い世代なんですが、どうもそのあたりがお分かりでないご様子なので、勝手にハラハラしちゃってるんです。