さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

273 人使いが上手い人間にも要注意

 みなさん、こんにちは。

 

 このところ、作業の日が多くていささかげんなりしています。

 体も筋肉痛だらけで、どこが痛いのかよくわからないような有様です。

 私は職人ではありませんので、基本的に現場に行っても、材料や道具の搬入、養生、片付け、掃除くらいしか普段はしないんですけど、ちょっととある店舗屋さんに頼まれて、一日作業を何日か引き受けてしまったんです。

 まぁ、別に許可を取ってるっていうか、支払いは会社同士でなされるので、私は別に給料が増えるわけでも減るわけでもないんですけどね。一応昼飯をおごるからっていうことで買収されてしまいました。ホント安いですよねぇ!つくづくそう思います。

 もっとも、別に断ってもいい話ではあったんですが、この店舗屋さんっていうのが、天性の頼み上手って言いますか、うまいんですよね、人を使うのが。

 みなさんのまわりにもきっといますよ、そういう人。

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 まず、作業を頼みたいようなら、最低でも2週間くらい前に連絡してきます。もちろん、その段階では日時がはっきりしていないことが多く、とりあえず現場住所や作業内容を教えてくれます。その時に「あなたなら軽くやっちゃうと思いますよ」とか「前にされたことがあったでしょう。あれ良かったんですよねぇ」なんて言う言葉を軽く添えてきます。まぁ、この程度の小細工でいいように扱われるほど私も若くないので、適当に聞き流しますが、気分は、まぁ、いいんですよね…。

 で、日時が決まったらすぐに連絡してきます。だいたい4~5日前が多いような気がします。それならこっちも予定を調整できますからね。さらにその時にわかってる限りすべての作業内容を説明してきます。実はこれが一番助かるんですが…。

 さらに、1日前にも必ず連絡してきます。念の入ったことです。

 それから、当日を迎えるといった感じです。何気ないことのようですが、これを毎回必ずやってきます。本当に見事なくらい徹底しています。

 作業内容は、たいてい解体とか、大きな家具の搬入とか、徹底的な養生とか、手直しとかそういう類のもので、職人さんに頼もうにも、彼らのプライドに引っ掛かってしまい、その後の付き合いに影響が出るので、職人さんには頼みにくいことばっかりです。

 まぁ、私は一向にかまいませんので、ただ、粛々とやるだけなんですが、途中、予定外の仕事が加わりそうなときには、一応こっちにも確認をしてきます。「あのう、お客さんが急にここも直したいって言われるんで、解体しなきゃいけないんですがいいですか?」って感じです。私も頭の中では「嫌だ!って言ったらどうする?」ってイジワル言っちゃおうかなぁなんて思うんですが、まぁ、そこは乗り掛かった舟ですし、こんなことはしょっちゅうありますので、ハイハイとやっちゃうんですけどね。

 それ以外は、基本的に事前の説明以上の内容はありません。ここが彼の凄いところなんですが、本当に徹底しています。

 よくいませんか。頼むときは簡単!簡単!って軽~く言っておきながら、やる段階になると、えっ、これも?あれも?っていうこと。聞いてないよ~!の連続技です。とどめに、「あ、ついでにこれもやってくださいね!」とか、「それから、これも頼もうと思っていたんだった」とか、ありません?はっきり言って最悪です。

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 私はこういう連中って、詐欺を働く危険がある人間だって思ってます。

 軽い仕事だからと引き受けさせ、身柄を確保したら話の数倍の仕事を押し付けてくるヤツです。ですから、そういう前科(?)がある人から依頼があると、事前の説明の3~4倍の仕事を想定するようになり、できれば断りたいと思うようになります。

 例えば、同じ量の仕事でも、事前にほぼすべての内容を聞いていると、一応は知らない仕事ではありませんから、自分なりにシュミレーションしておくんですね。現場を見ていなくても、どのくらいキツそうなのかは想像できます。想像しておけば、体の使い方など考えて動きますから、とりあえず夕方まで持ちます。

 しかし、聞いてないよ~!を連発で繰り出されてしまうと、いくら、事前の話の3~4倍はあるな!と予防線を張っていても、体は異常に疲れちゃいます。

 この差は大きいんです。

 こういうのも、段取りが良い、悪いっていうことに含まれると思いますよ。

 だって、職人さんはこれを毎日繰り返されるわけですからね。監督が把握していることを、全部事前に教えてくれてれば、職人さんですから、私なんかよりもっと経験に裏打ちされた正確な予測を立てて動きます。職人さんはやってなんぼの世界で生きていますので、できないことはできないと言いますし、一緒に、ではどうすればいいのか考えてもくれます。つまり、やる前から無理なことは避け、より確実に確実に仕事を進めるようにしています。毎日のことですからね。今日頑張れば、明日から5日間休み!っていうわけではありませんから。

 段取りが悪い、頼み方が下手な人はこのあたりをどうも理解できていないようです。あまり、たくさんの仕事を事前に言っちゃうと、断られたり、手間賃を値上げされたり、ひどい時はお説教を食らっちゃうって思ってるんでしょうね。

 私も一応建設業に身を置いて、あれこれと職人さんや業者さんに説明したりお願いしたり指示したりするもんですから、ついこういうことに厳しくなっちゃうんですけど、これははっきり法則のようになっていて、人を使うのがうまい人は、基本的にミスが少ないですね。凡ミスなんて言うものはほとんどないと思いますよ。

 反対に人を使うのが下手で、とにかく疲れさせるタイプは、…ミスだらけです。だって、この人種は確認をしないことにかけては天下一品ですからね。

 たぶん建設業に限らないと思うんですが、仕事は一に確認二に確認、三四が無くって五に確認!って言うくらい確認の連続だと思うんです。営業だって相手とスケジュールの確認をしますし、設計だって材料、法令など確認しながらプランを練ります。

 「私はクリエイティブな仕事がしたい!」っていう人もいるかもしれませんが、クリエイティブであればあるほど、その土台になる知識や経験がいるでしょ。それらを確認しながら創造に勤しむものですからね。格好だけではどうにもなりません。

 ちなみに、この人を使うのが下手な人なんですが、私の叔父がそうなんです。

 まぁ、叔父、甥の関係でもあるので、そのあたりは特に気を使わないのかもしれませんが、「あ、それからなぁ」とか「ついでにこれも」とか、ひどい時には「実はこれが今日の本命なんだ!」とか言う始末です。やさぐれてしまってる私に対して、3匹の猫どもが一定の距離を確保しながら、冷たい視線を送ってきます。

 「お前らなんか、かわいくないから、大っ嫌いだ~!」

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 ほんと疲れます…。

 そういえば、先ほどの人使いの上手い店舗屋さんが「次は夜間の仕事をお願いします」って言ってたのを調子に乗って「いいよ~。別に~」って答えちゃいました。…その日は日中お仕事です。ん?これって、労働基準法に・・・、っていうか、私はいつ休むんでしょう?

 人使いが上手い人間にも要注意ですね…。