さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

250 どちらも大切な命であることに変わりはありませんよね。

 みなさん、こんにちは。

 

 10年前、東日本大震災が発生しました。

 亡くなった方々にお悔やみ申し上げますと共に、今なお苦痛や困難の渦中にある方々に心よりお見舞い申し上げます。

12都道県で2万2000人余の死者(震災関連死を含む)・行方不明者が発生したこの災害を前にして、依然として自然の力は強大であり、人間がどれほど進化し技術革新したとしても、到底太刀打ちできるものではないことを我々は思い知らされました。

 その上さらに原発という、自分たちで生み出しておきながら、ひとたび制御できなくなるとどうにもならないようなものが追い打ちをかけました。原発の存在については賛否両論あると思いますが、少なくともこれまでのようないい加減な取り組み方では、到底扱える代物ではないように思っています。

 そして、地震津波については疑いなく災害だと思いますが、原発事故について私は人災であると確信しています。

 あれから、もう10年と考えるのか、まだ10年と考えるのかはそれぞれの人の置かれた状況によって異なるとは思いますが、多くの方が被災されたことと、今後の教訓として決して忘れてはならないことだと考えています。

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 さて、毎日新聞によると警察庁は「全国の警察が2020年に摘発(逮捕・書類送検)した児童虐待事件は前年比161件増の2133件だった」と発表したそうです。

 やっぱり増えていますね。

 これにDVを加えたら、いったいどうなっちゃうんでしょうね。

 一応記事では、「社会的な関心の高まりによる通報増などが背景にある」とみているようです。まぁ、それは良いこととしておきますが、社会的な関心の高まりって本当でしょうか?それに、問題なのは、これって氷山の一角でしょ。一つずつ丁寧に拾い上げていったら、この何倍もの件数になると思いますよ。さらに記事では、「児童相談所が態勢を増強し、一時保護などにしっかり対応できるようになっている面があるのでは」とみているようです。児相も頑張っておいでとは思いますが、コロナ禍にあって、家庭内の問題は例年より多く発生していると考えるほうが自然だと思うんですよね。

 私はこういう問題をニュースなどで見ると、とにかく腹が立っちゃうんでよくお話をするんですが、児童虐待事件が年間2000件以上あり、それは氷山の一角って、いったいどれだけの子供達がひどい目に遭ってるんでしょうか?

 子供は自立して生活していくことなんてこの国ではできません。大人に戦闘力で対抗することだってできません。どうすれば、今の自分の環境を改善できるのかなんてわかるわけがありません。逃げ出すことだってできないんですから。

 なので、自助・共助・公助なんていうものはこの問題には適用されません。

 しかし、事が家庭内で起きているため、当局もなかなか踏み込めないんでしょうね。

 これ、何とかならないものでしょうか?それとも、そういう人間を親に持った子は仕方がないんでしょうか?

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 子供の虐待について、何も今に始まったことではないとは思っています。

 昔もできの悪い親はいたでしょうし、貧困が原因で満足に子育てなんかできない家庭もたくさんあったと思います。今も当然あるでしょうね。そうした環境で育った子が犯罪に手を染めたり、反社勢力に取り込まれたりしたこともあったと思います。

ただ、昨今の事件を見てると、なんか異質な感じがします。特殊な事例のみ報道されるからかもしれませんが、しつけと称して暴行を加え、食事を与えないって、これは虐待というより未必の故意の殺人ですよ。

 体に傷やあざができていたり、体重が減ったり、様子がおかしかったりすれば、誰かが気付いて通報しそうなものですよね。あ、そうした人が増えたからってニュースでは言ってましたね。病院の先生や、学校の先生が不審に思って通報したり、近所の人や保護者同士の付き合いの中で気付いた人が通報しているのかもしれませんね。

 でも、たぶん、全然足りない!って思うんですよ。

 たまたま、周りにそういう人がいた子は救われるかもしれませんが、そういう人すらいなかったら、どうでしょう?

 先ほども申しましたが、子供に自助は不可能です。共助っていいますが、その共助し合う関係の親などから虐待されてますからね。で、周囲の大人がそれに気付いてって言っても、このあたりがこの問題を容易に解決させないところで、面倒なことを嫌いだし、当事者の親から逆恨みされたくもないし、そもそも他人の家庭のことに無関心だし、まぁ、自分が率先してやらなくても誰かほかの人がなんとかするだろうって思ってるのかもしれません。こうなったら、共助も望めませんね。じゃぁ、公助ですか?

 公助っていっても、家庭内のことにどこまで公的機関が踏み込めるのか、って考えると、難しいんですよね。警察や児相に熱血な人がいたとしても、やり過ぎればかえって違法行為ってことになっちゃいます。だから、やりきれない思いを抱えているお巡りさんや相談員の人もいるんでしょうね。

 こうして考えると、結局法律でってなっちゃうんですが、その前にメディアは、とくにNHKはやれることがあると思うんですよね。森のおっちゃんを簡単に追い込めるんだから、こういう問題をフォーカスすれば、簡単に世論を操作できるでしょう。ドラマを作ってもいいでしょうし、ドキュメンタリーで訴えてもいいと思います。そもそも、子供を虐待することってどんなことなのか、それがどう悪いのか(情けない話ですが)、知らしめるキャンペーンでもやってほしいものです。その上で、そうした兆候を見かけたら、どうするのかもきちんと報じるべきだと思います。いきなり警察に通報って、けっこうハードルが高いですからね。さらに、虐待を行った人間の末路まできっちり伝えちゃえばいいんです。それが、どれだけ間違った行いなのかを知らしめるってなかなか良い活動だと思いますよ。とりあえず、人々が子供はみんなで守ってやらないとね!って思ってくれるようになり、親が知り合い同士なら注意し合い、知らなければ躊躇なく通報できるようになったら、少しだけメディアを褒めてあげます。少しだけね。

 まぁ、普段ウソついたり、都合の良いことばっかり言ってんだから、たまには良いことしろよ!って言いたいんですね。

 そして、政治家の先生方には、最前線で働くお巡りさんや相談員が動きやすい環境を整えていただきたいものです。このことは少子化対策にも効果があると思っています。各家庭の税控除や授業料などの経済的な負担の軽減だけでなく、ただでさえ少なくなっちゃった子供に対して、その子が無事成人できるまでのサポートはあっていいと思うんですよ。三原じゅん子議員とかやってくれないかなぁって思ってます。

 それに、考えてみてください。被害に遭っている子供たちは何が何だかわからない状態で追い込まれています。もし、彼らが自分でもどうしようもなく、周りの大人も何もしてくれない、警察とか役所に行っても無駄って思ったらどうなります。彼らは自立して生活できないんですよ。発生件数に対して、亡くなる子が少ないのは、そのあたりをまだ理解できる年齢に達していないからだと思うんです。

 だからこそ、この問題は摘発より予防や防止が肝心なんですね。

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 十年前に地震津波によって、理不尽に多くの命が奪われました。

 そして、たまたまおかしな親の元に生まれたために、理不尽に命を奪われた子が毎年数十人存在します。

 どちらも大切な命であることに変わりはありませんよね。

 だから、何となく、今日はこんなことを書いちゃいました。