さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

145 はっきり言っちゃえば、私、注射嫌いです。嫌なんです。

 みなさん、こんにちは。

 

 ついに読んでくださった方からコメントをいただきました!

 ツイッターで…あっ、リプライっていうのでいただきました。

 うれしいですね~。いいでしょう。ウ~ヒョヒョヒョヒョヒョヒョ、な気分です。

 何より読んでくださったことがはっきり分かったことがうれしいですね。

 こうなったら、もう、仕事そっちのけで、がんばっちゃいますよ~。あ、人が来た!

 さて、TVをみていると、コロナワクチンを注射している映像が良く流されます。なんでこんなの流すんだろうって思っていましたが、だんだん気分が悪くなってきました。別にコロナワクチンに文句があるんじゃなくて、注射しているところが、ちょっと、嫌なんですよね。

 はっきり言っちゃえば、私、注射嫌いです。嫌なんです。

f:id:sarukichitail:20201216102726p:plain

まぁ、注射が好きって人は少数派だと思うんですけどね。あの針が皮膚を貫く瞬間がたまらない!とか、薬を流し込まれているとゾクゾクする!とか、針を抜かれた後に残る痛みが癖になる!なんて人は少ないと思います。変わった趣味をお持ちのようなので、程よい距離間でお付き合いしたいものです。

 子供の頃、私は注射されることに耐えている自分が好きでした。あの痛いのを我慢すると、周囲の大人がこぞって褒めてくれましたからね。直前の痛みはかえってその後耳に入ってくる「がんばったね~」とか「えらいねぇ~」の声を神々しいキラキラした輝きをひときわ強めてくれるようでした。ひとしきり悦に浸っていた子供の頃の私は、危うく先ほど申し上げた趣味の方々のようになっちゃうところでしたが、あることが私をまともな人間(?)に引き戻してくれました。

 エクステリアの会社に新卒で入社して2~3年くらい経った頃、あるお客さん宅に打ち合わせに行った時のことです。その家ではコリーの小っちゃいの(シェットランド・シープドッグっていうそうですね)を飼っていて、私を敵と思っているのか、牙をむき出しにして吠えていました。「あっ、その子人見知りだから」と言うお客さんの言葉に若干安心して席に着こうとすると、いきなり私のお尻の右側に猛烈な痛みが走りました。振り返って見ると、ヤツが噛みついてぶら下がっています。「イテテテッ!」と右膝をついてヤツ振り払おうとしましたが、お客さんの犬なので殴りつけるわけにもいかず、首輪を掴んで引っ張りますが、なかなか放してくれません。肝心のお客さんはというと、「もう、甘えちゃって、困った子ね!」なんて暢気なことを言っています。

f:id:sarukichitail:20201216102814p:plain

 今まで経験したことがないような痛みだったので、「この子、何とかしてくださいっ!」とちょっと大きな声で言うと、仕方ないわねぇという感じでようやく引き離してくれました。「あら、血が出てるわね」とさほど驚いてもいないような声に、かえって私のほうが驚きましたが、こうなってしまっては打ち合わせどころではありませんので、とりあえず近くの総合病院に行きました。いや、何科を受診すればいいのかわからなかったので。ズボンのお尻が真っ赤になっていたので、すぐに処置室に連れて行かれ、私としてはホッとしたんですが、ここからが悪夢の始まりでした。

 処置室には中年のお医者と若い女性の看護師さんが2人いました。

 私の真っ赤なズボンのお尻付近を見て、とりあえずベルトを外してチャックを下げ、寝台にうつ伏せになるよう言われたのでその通りにしました。受付で犬に噛まれたことは伝えてあったので、別に驚いた様子もなく、私はうつ伏せになったことで痛みが和らいだこともあり、すっかり安心していたら、いきなりズボンとパンツを一緒にずらされちゃいました。あまりにも突然だったので、「ふぇっ」って言っちゃったのが私のパニックを増大させました。かろうじて残っていた自我が(先に言ってからずらせよ!)と心の中で叫んでいました。確か阿部寛さん主演の「結婚できない男」の第一話のような状況でした。その後、傷のあたりがチクチクするので、なんか塗ってるんだろうなぁと思っていました。なにしろうつ伏せなので、一体何をされているのかわかりません。この部屋の3人はほとんどしゃべらないので、音や気配で察するしかありません。まぁ、チクチクの作業をされている間に平常心をとり戻しつつありましたが、今度はいきなり何かを刺されました。「あいとわっ!」とまたもや不覚の声を発してしまい、痛いのと恥ずかしいのとで少し頭がぼんやりしてきました。声を聞いたお医者が「あ、注射してるから」と言ったようですが、なにを今さら!ですよね。そのまま、打ちひしがれた私に「いつまでお尻出してんの。もう終わったよ」とお医者はとどめのひと言を浴びせてきました。もはや抵抗する気もなく、しずしずとズボンを穿きなおし、寝台に座る私に、お医者は何か言ったようですが、よく覚えていません。いきなりズボンをずらされて尻をみられた上に、不意打ちのように注射をし、その度に情けない声を聞かれ、しまいにはいつまでも尻を出している変な奴呼ばわりまでされてしまったのです。若かった私の心は砂漠に作った砂の城のように、風に吹かれて消え去ってしまうのでした。

 病院に行く前に会社に連絡しておいたのですが、その際診断書と領収書をもらって帰るように言われたので、そのようにしました。「お大事に~」という受付の声に(もう来ねぇよ!)と心の中で悪態をつき(小心者なので)、着替えてから会社に戻りました。

f:id:sarukichitail:20201216102922p:plain

 その後、私は件のお客さんと会うことはありませんでしたが、部長が話をしたらしく病院の費用は会社から返してもらいました。あの病院で打たれた注射が何だったのか?お客はその後どうしたのか?はわかりません。ただ、部長から「おみゃぁはなんも心配せんでええ。まぁ、早う忘れてしまえ」と言われてそれっきりでした。

 大体、あの病院の3人組は、事前に声をかけるということができていません。それさえちゃんとしてくれてたら、あんな恥ずかしい思いをしなくて済んだのに…。

 この時からですね、注射が嫌いになったのは。

 あれから、何度も注射は打たれましたが、痛いことより気分が悪くなることのほうが苦痛です。なかなか血管に針が入らなくって腕が紫色になった時も、痛みより気持ち悪さのほうが大変でした。今もそうですね。でも、1回だけ心の負担を吹っ飛ばすような痛みを感じた注射がありました。その名もヒアルロン酸注射です。ヒャ~怖い。

 以前も書きましたが、空手の稽古の際左足のふくらはぎが肉離れしてしまい、杖をついて歩いていたら、右足の膝がおかしくなっちゃいました。で、変形性膝関節症という診断が下り、この注射を打つハメになっちゃったんですね。

 お医者が手にした注射の針はこの世のものとも思えない太さと長さでした。いかに剛勇で聞こえた戦国武将であっても、あれを見たら「えっ、それを刺すの?」って絶対思っちゃうくらいの凶器です。まぁ、私もいい年をしてジタバタするわけにもいきませんから、覚悟を決めましたけどね。「ちょっと痛いですよ~」というお医者に(嘘つき!)と心の中で必死に叫びながら、痛みと体の中に明らかに異物があるのを実感している気持ち悪さに耐えていました。いつも思うんですが、整形外科さんって「コレをいったい何に使うの?」っていう器具が多いですよね。まぁ、いいんですけど。

 この注射は見た目の破壊力に負けないくらい効果がありました。ひざの痛みが嘘みたいに消えちゃいます。でも、長続きしないんですよね。1~2時間で効果がなくなります。これを毎週1回4週間やったんですが、その後はやめちゃいました。怖いし。

 TVで注射の風景を見ながら、何となく思い出しちゃいましたが、何とも嫌な記憶です。そういえば、未だに注射針が刺さる瞬間は目を背けてしまいますね。こういうのが、トラウマって言うんでしょうか?

 さらに言えば、銭湯などでパンツを脱ぐときに周りをキョロキョロしてからっていうのも、ひょっとしたらトラウマがあるからなのかもしれませんね。