さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

71 ~ロスな私

 みなさん、こんにちは。

 

 久しぶりに叔父の土地の草刈りをしました。

 夏は毎月行っていたのですが、気温が下がり草の伸びるスピードが鈍化したので、2か月待ってからの草刈りでした。

 草は夏のような硬さがないのと葉を広げ地面にへばりついたのが増えたせいで、いつもより時間がかかってしまいました。また、間をあけていたからなのか、草刈りをおえてからすぐに筋肉痛に襲われました。たぶん、普段使わない筋肉を使っているのと、妙なところに負担がかかるような姿勢でやっているからなんでしょうね。

 敷地の外側から刈っていき、とぐろを巻くように中央付近に進んでいくのですが、相変わらず逃げ遅れたカエルやバッタが中央に近づくごとに増えてきました。ガブリエルに会う前の私なら何も気にすることなく、草刈り機を乱暴に振り回していたことでしょう。何しろ悪魔の手先を自任していましたから。しかし、今の私はガブリエルによって完全な敗北者となっていました。そして、ここにはもうガブリエルはいません。

 (ガブリエルについては~④「ガッ、ガブリエル!」私は頭の中で呟いていました~をご参照ください…またもや宣伝してしまい申し訳ございません)

 心なしか小振りになったように見えるカエルたちに私は「はやくにげてよ~」と弱々しく呟き、草刈り機を振るのをやめて様子を見ます。ちょっと逃げたら彼ら(カエルやバッタ)はそこで止まってしまいます。ですから、少し進んでは停止の繰り返しになってしまうのです。そのうち私の方が癇癪をおこして、そこら中をバタバタと踏み荒らすように足踏みをすると、ようやくさっきより遠くへ逃げて行ってくれます。

 その様子を眺めながら、少し目線を上に向けると、最近少なくなった雀が電線から飛び立っていくのが見えました。…ガブリエル、今頃どうしているのかな。

 ガブリエルがその果敢な戦いの後、溝にその身を投じてからというもの、ふと思い出すことが何度かありました。あの後、新天地を見つけ逞しく生き抜いていることだろうと思う反面、ひょっとして魚に食べられちゃったかも!なんて小悪魔的な想像をすることもありました。結局、あれ以来ガブリエルほどの逸材(?)を見つけられなくて、私の心は常にもどかしさを抱えた状態です。

 そう今の私はガブリエルロス状態なのです。

 

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 あ、そういえば、政治を取り巻く世界は安倍ロスでしたよね。

 私は今の政治家の先生に期待なんかしていませんし、政局を芸能界のゴシップネタのように見て楽しむ趣味もありません。ただ、安倍前首相は結構好きでした。

 政策を支持しているというわけではありません。2度の消費税増税については「よくも~!」ですからね。ただ、野党やマスコミが躍起になって所謂安倍叩きをやっている中で、それに耐えながら総理大臣をやっている姿を痛々しく思っていました。でも全部我慢しているのではなくって、たまに国会の答弁の際、野党議員に逆ねじを食らわせてみたり、記者会見で皮肉を言ってみたりと、「あぁ、意外と怒っているんだな」と思わせるあたりは、かえって人間的な親しみを感じました。外国の首脳と堂々と会談している姿は、これまでの聊か貧相な印象だった日本の首相のイメージを大幅に改善したと思います。そういうのってなんだかうれしいですよね。

 要するに政策は無視して、単純にアイドル的な見方をしていたんですけど、こういうのもアリなんじゃないかなって思います。だって今までの総理大臣のイメージって、「裏で何が悪いことをしているかもしれない怪しいおじさん」だったり「清廉潔白なんだろうけど、何をしたいのかわからないし、フラフラしていて結局何もできないおじさん」だったような気がします。あ、私の持っているイメージですよ。

 小泉さんの登場でそのあたりがちょっと変わったような気がしますが、本格的に強い意志を感じる(本当はどうか知りませんが)上に、諸外国と対等に渡り合っていける総理大臣って安倍さんからだと(まだ1人ですが)思うんです。

 本当は政策ごとにきちんと評価し、仕事の進め方などを注視して支持するしないを考えるべきなんでしょうけど、まぁよくわかりませんし。国会中継や記者会見では抽象的な話ばかりだし、新聞やTVの言っていることは信用できないし、ネットでは極端な話が多くてわかりにくいし、どうしたらいいんでしょうね。

 あ、そうして考えてみると、安倍さんはちょっとだけ正直にしゃべっているように見えました(たぶんそう見えただけ)。それだけでも、安倍さんの話を聞いてみようかなって気になります。あと、麻生さんも自分の言葉で話そうとしますね。良くも悪くもで、賛否両論あると思いますが、聞いてみたくはなります。結局、誰が下書きをしたのかわからない政治家の先生の抽象的で定型文みたいな話って、政治家が自分の評価をしないでほしいって言っているように聞こえてきます。そういう意味で、私も安倍ロス状態なのかもしれません。

 

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 話を草刈りに戻します。

 今回の草刈りで今年は最後になります。

 来春、また草刈りをする時、ガブリエルのことをきっと思い出すのでしょうね。

 彼(雌ですが)との戦いの時間はほんの数分でした。

 しかし、私はガブリエルロスに陥っています。このことから、時として、共に過ごした時間の長さなど関係ないことがあるのがよくわかります。

草刈り機を片付けている時、安堵の表情で草の下の隠れようとしている不甲斐ないカエルたちが数多くいましたが、この中からはたしてガブリエルを超える逸材が出てくるのかどうか。

 ハァ、この喪失感はちょっと重症ですね。

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 「もう!ガブリエルなんか、流されている間に気を失って、気が付いたら子供にお腹をプニプニされて、終いにはウシガエルに食べられそうになっちゃえばいいんだ!」って思いながら、ガブリエルなき叢に目を落としていました。

 家に帰ってウーロン茶を出そうと冷蔵庫を開けたところ、「待ってたよ~」とミケネコが。「お前だけは何処にも行かないでおくれ~!」と私。

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 かなり重症です。