さるきちのしっぽ

おサルのおつむでゆる~くお話ししますので、よろしければお付き合いください。

㊵NFL始まりましたね。

 みなさん、こんにちは。

 

 NFL始まりましたね。

 あ、アメリカンフットボールのことです。

 今日はNFLアメリカンフットボールのプロリーグ)についてお話します。

 今年はテニスのUSオープン同様に無観客なので、NFL名物のクラウドノイズは聞けません。このクラウドノイズというのはホームチームを観客が応援するにあたり、相手チームの攻撃の際大声を出してプレイを妨害する行為です。別にルール違反でもなんでもなく、観客としては「我こそはホームチームの12番目の選手である」の気分でやっています。

 今年はそれがないので、とても静かに試合が進んでいますが、逆に選手の声がよく聞こえるのでいつもと違った趣があります。

 日本ではあまり馴染みがないというか、サッカーや昨年ワールドカップで盛り上がったラグビーのほうが人気・知名度が圧倒的に上ですね。アメリカンフットボールと言えば、日大のコーチが選手に反則をさせて騒ぎになったくらいでしょうか。あの時はNHK BS1でのNFLの放送が中止になるのでは?と本気で心配しました。幸い週に1試合は放送してくれたのであの時はホッとしましたが、今度はコロナで今シーズンの試合がどうなるのかとひやひやしていたものです。

 いやぁ、開幕してくれてよかったよかった。

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 日本で人気が出ない理由はたぶんルールがわからないことと、時間の使い方、さらにはあの装備にあるのでは?と思っています。

 まぁ、ルールは仕方ないですね。わかってくると簡単なんですが、こればっかりは興味がないと理解できないので。すごくざっくり言うと、ボールを持って走ったり、パスしたりして相手の陣地の一番奥へ運ぶスポーツです。その攻防が激しく体をぶつけ合いながら進んでいきます。もともとラグビーから生まれた競技なので、ラグビーのルールをなんとなく理解している方はわかりやすいかもしれません。

 時間の使い方は、バスケットボールとよく似ています。つまり時計を止める、進める、さらに流すという感じでロスタイムなどなく、いかに戦術的に時間を使うのかが勝敗の決め手にもなってきます。よく考えたら、1プレイが数秒で終わるので、前後半合わせて60分のうち実際にプレイしているのはその半分くらいかもしれません。また、前半残り20秒くらいあっても、意味がないと思えばそのまま流して前半終了となります。たとえ勝利に関係無くっても最後の1秒まで頑張る!なんていう考えはありません。得点や勝利の可能性があれば無茶なこともしますが、そうでなければあっさりしています。さすがあちらの国は合理的です。そう言いながら私はこの時間の使い方があまり好きではありませんけどね。

 あと、あのヘルメットや肩パット胸パットなどのプロテクターなどは、なんだか北斗の拳に出てきそうな装いですが、昔はラグビーのようなユニフォームだったそうです。しかし、ケガ人が続出したため少しずつ揃えて言ったらこうなった、っていう感じです。ゲームの方針に装備を合わせていったということですね。日本であんな装備が必要な競技は…剣道でしょうか。球技で言えばアイスホッケー(球技?)や野球のキャッチャーですかね。まぁ、あまりスマートではありませんし、なぜそんな装備までしてぶつかり合う必要があるのか、と言われてしまうと少し考えちゃいます。たぶんあれは昔の戦いの名残なのでしょう。お互いに向かい合って陣形を整え、攻める側は指示された戦術に従って動き、守る側はそれを見て反応する。扱っているのはボールですが、やっていることは疑似戦そのものです。あ、この辺りが嫌われてしまうのでしょうか?

 まぁ、いいでしょう。

 ここから先はNFLへの私の思いを語ることにしましょう。

 子供のころ、ジョー・モンタナとバリー・サンダースTVでみました。

 衝撃でした。

 モンタナは49ersのQB(パスを投げる人)でしたが、スーパーボウルベンガルズ戦でラスト2分で怒涛のパスラッシュを行いチームを勝利に導きました。サンダースはオクラホマ大のRB(ボールを持って走る人)でテキサス工科大戦で押し寄せる相手選手をひらりひらりと躱していきました。まるで時代劇の主人公のように。

 この二人のプレイを見てからアメフトにハマり、NFLファンになってしまいました。

 毎年9月の開幕から2月のスーパーボウルまで楽しく見ていますが、最初の衝撃がよほど強かったのか、頭の中で神聖化されてしまったのか、モンタナやサンダースのプレイのような衝撃は未だに受けていません。

 NFLをみていて一番気分がいいのはどんなに激しくぶつかっても、その後何もなかったように選手が動き回ることです。基本的に痛がりません。本当に痛いときは立ち上がれず呻いていますし、ピクリとも動かなくなることもあります。サッカーでよくあるシュミレーションのようなことはしません。これはアメリカのタフガイの文化がそうさせているのでしょう。当然わざとファウルをもらうなんていうこともありません…と言いたいのですが最近は少しファウルアピールの傾向がでてきました。由々しき事態です。

 NFLの魅力は原始的な体のぶつかり合いと科学的で論理的な戦術の融合です。

 選手たちはしびれるような痛みや頭がくらくらするような状態の中で、決められた何通りもの戦術をこなしていきます。それを支えているのがタフガイの精神であり真っ向勝負の気概です。そこに邪な企みや嘘の演技が混ざってくると、ただの暴力的な見世物に成り下がると思うのです。

 さて、今年は例年と全く異なる環境での試合になっています。冒頭触れたように普段聞けない試合中の選手の声が聴けるのは結構楽しいです。ただ、選手のモチベーションがどれくらいの高さに持っていけるのか少し不安でもあります。やはり観客の異様な熱気と盛り上がりが選手たちにとって高度なプレイをする呼び水になりますから。

 あと、私はベテラン選手が好きです。これはどの競技でもそうなのですが、ベテランの味わい深いプレイは若手の大きな壁となって立ちはだかってくれますので、今年も大いに注目です。トム・ブレイディ(QB)、ドリュー・ブリーズ(QB)、ラリー・フィッツジェラルド(WR パスをキャッチする人)等々、ケガには十分気を付けて、ぜひ頑張ってほしいものです。

 

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 ちなみに、試合中の声が聞こえると再三申し上げていますが、選手同士がぶつかり合う時、思いのほか情けない声を上げているのがわかりました。

 気合声ではなく、衝突した瞬間に「オウ」とか「ワオ」とか「ギャー」とか「グエッ」とか言っています。

 いかに屈強な体をしていても、やはり人間なんだなぁと、かえって親しみが湧いてきます。それに、やっぱり痛いんだろうなぁ、と改めて納得しています。

 もし自分があの中にいたら、どんな声を発しているのか想像してみましたが、結局何も言わずに倒れ、その後ピクリとも動かなかった選手しかイメージできませんでした。

 そりゃそうですよね。